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2011年11月15日 (火)

「日本ブランド」で行こう/アレックス・カー

4901391453 ──日本では産学協同の気運が高まっていますが、アメリカではどうなっているのですか。
カー: そういうのはたくさんあります。インターネットだってそうだから。ただ、やり方が違います。アメリカは、国が民間に何かを依頼する。そして自由競争に任せて、その中から自然に出てくるのを待っている。
 日本の場合は初めから官が上から決めますね。たとえば、その典型的な違いの例はハイビジョンです。日本は、NHKが10社ぐらいのグループと組んで、すごいお金を費やした。でもアナログでした。これは有名な話ですね。アメリカの場合は、国はハイビジョンを何とかしてやりたいというだけで「アナログにせよ」とか「○○しましょう」という上からの決めつけがない。だから、シリコンバレーの本当に小さい会社で、いま世界中のハイビジョンが使っているデジタルのシステムができたんです。
 重工業の時代には、日本のような共産主義的なやり方はものすごく成功するんです。日本には省が10ありますが、それは10カ国の共産圏の国があるようなものです。つまり、それぞれが5年計画、7年計画をつくって、役所の中でやることを全部決めて、それを民のほうにおろす。昔のやり方としてはそれもよかったけれども、新しいテクノロジーになってくると、上から決めつけたのでは間に合わないんですね。
 いま同じ問題が起き始めています。最近、コンピュータのチップについての政策で、国が無理やりいくつかの会社の合資で、日本だけのチップをつくるとか何とかで、また問題が起き始めているけれど、そのへんに無理がきているんです。80年代の終わりごろから、日本の官が仕掛けたものは全部失敗しています。ハイビジョンも、ロケットも、チップも、何もかも全部だめ。そういうやり方はいまの時代に合わないんですね。

日本では官僚が民間の産業を育てるという時代が長い間続いた。

官僚が規制をかけ、過当競争を制限し、ある時は高率の関税をかけることによって産業を守り、大事に育ててきた。

しかし、ある時から、その仕組みがうまくいかなくなってしまった。

と、いうより、もうその時代が終わってしまったといった方が良い。

今は、官が守る産業はほとんどの場合、ダメになってしまっている。

その代表的な例が農業。

官が規制をかけ、守れば守るほど、競争力が失われ弱体化していく。

もうそろそろ官僚も気付いてもよさそうなものだ。

今は、民間の活力を削がないように、官は後ろで支えるという役目に変わったのだと。

今だに既得権にしがみつき、許認可権を手放そうとしない官僚に未来はない、ということを。

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