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2011年11月30日 (水)

居酒屋の世界史/下田淳

Bt000013562700100101_tl  居酒屋は単に飲食・飲酒、宿屋の機能をもつだけではなかった。そこではさまざまなエンターテイメントがおこなわれた。賭博がおこなわれ、芸人が活動し、性を求めあるいは売り物にする男女が棲息した。
 重要なのは、居酒屋が人々のコミュニティセンターであったことである。情報収集、商談、職業斡旋から金貸しや裁判所の機能まで備えていた。権力批判、謀議の拠点となる場合もあった。ヨーロッパで文明圏では、教会に代わって祭りや冠婚葬祭の祝宴の場となった。中国の茶館もある程度の「多機能性」をもったが、イスラムのカフェや日本の居酒屋は、エンターテイメントと売春のみ付属していたにすぎなかった。居酒屋のもった「多機能性」はヨーロッパ、しかも中近世でもっても発達したと結論できる。

本書では、居酒屋が歴史の中でどのような役割を果たしたのかが記されている。

ドイツ農民戦争やフランス革命は居酒屋から始まった。

農民や革命家は居酒屋で計画を練り、民衆に呼びかけたりした。

居酒屋が売春宿であったということは容易に想像できるが、銀行や裁判所の機能をもった時期もあったとは驚きである。

ヒットラーが演説し、ナチスが成立したのも居酒屋であった。

昔、「歴史は夜作られる」という映画を観たことがあるが、さながら「歴史は居酒屋で作られる」といったところか。

居酒屋とは酒を飲み仲間との交流を楽しむ場所である。

しかし、人々が集まる場所は、物、情報などさまざまな文化の交錯する場所でもある。

単純化して考えれば、居酒屋に限らず、人が集まり自由に語り合える場からは、何か新しいものが生まれるということが言えるのではないだろうか。

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