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2011年12月31日 (土)

回復力/畑村洋太郎

Znp16  よほど奇特な人を除けば、自分が失敗することを望んでいる人はいません。仮に失敗をしたら、それをすぐにカバーすることで周りからの信頼を取り戻したくなります。ところが、失敗直後はダメージを受けてエネルギーが失われているので、なかなかうまくいきません。それどころか、焦っているうえに頭が働いてくれないので、むしろ間違った行動をすることで、ダメージをさらに大きくしてしまうことのほうが多いのです。
  これは典型的な悪循環による自滅のパターンです。このようにして自分からどんどん泥沼の状態にはまり込んでいる人はたくさんいます。
  このような自滅パターンにはまり込んだ人には、ある共通点があります。それは冒頭で述べた「人は弱い」という認識が欠けていることです。私はそれを失敗した当人たちと話をしているうちに気がつきました。
  程度に差はありますが、失敗したときには誰だってショックを受けるし傷つきます。
本人は気づかないかもしれませんが、直後はエネルギーが漏れてガス欠状態になっています。こういうときに失敗とちゃんと向き合い、きちんとした対応をしようとしても、よい結果は得られません。大切なのは「人(自分)は弱い」ということを認めることです。自分が、いまはまだ失敗に立ち向かえない状態にあることを潔く受け入れて、そのうえでエネルギーが自然に回復するのを待つしかないのです。
  不思議なもので、人はエネルギーが戻ってくると、困難なことにも自然と立ち向かっていけるようになります。これは人間がもともと持っている「回復力」の為せる業です。回復に必要な時間は人によっても失敗の種類・大きさによってもまちまちですが、エネルギーが回復すると必ず自発的に行動したくなります。そうなるのをひたすら待つのが、遠回りのようですが、じっは最善の策なのです。

失敗は誰もがしたくはないもの。

しかし、失敗したことのない人はいないというのもまた事実。

そして人は失敗から多くのことを学ぶ。

だとしたら、失敗と上手に付き合って行くことだ。

そのためのカギになるのは「回復力」。

著者によると「回復力」は誰もが持っているという。

確かに回復までに時間がかかる人と、比較的短期間で回復する人とがいるのだろうが、「回復力」自体は誰もが持っているもの。

そして一番まずいのは失敗のダメージから回復しない状態で焦ってそれをカバーしようとして動いてしまうこと。

これは自滅のパターンで、ますます泥沼に陥ってしまう可能性があるという。

このパターンに陥ってしまう人の特徴は「自分は弱い」という認識が欠けているという。

そう言われてみると、確かにそうだ。

エリートと呼ばれる人が意外と失敗の対処法で間違ってしまうのもそれが一つの原因かもしれない。

エリート官僚などはそもそも失敗を認めようとしない。

これがいざという時のモロさとなってあらわれる。

それが失敗であるとすぐに認めることができないので、失敗の上にさらに失敗を重ねる。

そして、ようやくその人が失敗を失敗と認めることができたときには、すでに手遅れになっていて、傷口が大きく広がって深刻なダメージを受けていたりということになる。

本当の意味での打たれ強い人とは、自分の弱さを認めることのできる人ではないだろうか。

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