クチコミはこうしてつくられる/エマニュエル・ローゼン
バズは強力だ。なぜならば私たちの遺伝子に刻み込まれているからだ。窓の外を見て、私たちよりも単純な生物、ここでは鳥のコミュニケーションに注目しよう。烏がコミュニケーションする理由を知るために、バーモント大学のベルン・ハインリッヒ博士と話したことがある。彼は鳥の中でも、カラスについて研究している。カラスは彼ら自身のバズを持っている。博士と研究仲間は、メイン州の寒い冬、カラスがどうやって餌を見つけるかを明らかにするために、いくつかの実験を行った。彼らはある農家から牛の死骸を入手し、森の中に入り、雪の中に置いた。彼らは、その側の小屋や、雪や松、樅で覆われた隠れ場の中で待っていた。数日後、一羽のカラスが上空に現れ、その死骸を見つけた。
牛の死骸は、一羽のカラスを一冬、十分に養えるものだった。しかし、彼らが驚いたことには、このカラスは、一口も食べずに飛び去っていった。数日後、そのカラスは、数十羽の仲間をつれて戻って来た。博士らは同じ実験を二五回、繰り返したがすべて同じ結果となった。つまり一、二羽のカラスが餌を見つけると、数日後に家族や友人を連れてきたのだ。(中略)
これらの例から、話すということは、他にどうしようもないときに行う副次的な活動ではないことがわかる。話すことの根源は、より基本的な欲求に基づいている。私たち人間も同じだ。
バズとは「ある時点における、特定の企業や製品に対するコメントの合計」
いわゆる「クチコミ」
本書によると、バズは、私たちの遺伝子に刻み込まれているという。
カラスが餌を見つけたとき、自分で独り占めをせず、仲間をつれてくるように、人間のバズも、より基本的な欲求に基づいているとのこと。
確かにクチコミは自然発生的に起こる。
それは人間の基本的な欲求に基づいているものだから。
しかし、このクチコミをビジネスに結びつけようとするなら、それを意図的に発生させコントロールする必要がある。
そのためにはハブ(放射状に広がっていくものの中心点)に情報を伝え、ハブから情報が広く伝わるようにする必要がある。
そして、そのような仕掛けや仕組みをつくることのできる人が現代のビジネスで成功者となる。
この考え方、特に広告や販促を行っている人には必要な知識であろう。
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