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2011年12月19日 (月)

自分らしいキャリアのつくりかた/高橋俊介

456970901x   こんな事例がある。豪華客船のクルーになることをめざして就職活動をしていた女性がいた。希望にかなう複数の会社から内定をもらうことができて喜んだのも束の間、家庭の事情で郷里に帰らなければならなくなり、結局、親類の紹介で地方公共団体の外郭団体に就職することになった。そこは地元ではだれもがあこがれる職場で、労働条件は決して悪くはなかったのだが、豪華客船のクルー以外は眼中になかった彼女は、その仕事になんの魅力もやりがいも感じられない。そうなると当然、成果も上がらないから評価も低くなる。それでますますやる気がなくなる悪循環にはまりこんで、結局、辞めざるをえなくなってしまったのである。
 キャリアというのは、最初からこれしかないと間口を狭めてしまうと、往々にしてこの彼女のような結果になってしまいがちだ。やりたいことを絞るのではなく、やりたくないことを減らし、いろいろと経験しながらやりたいことはこれだったのだと気づくのが、理想的なキャリアの築き方なのである。
 先日、私の行きつけの寿司屋に友人を連れていったときのことだ。板前さんに何か嫌いなネタはないかと尋ねられ、彼女はウニと答えた。子どものころアメリカで育った彼女は、多くのアメリカ人同様にウニが苦手だったのだ。
 ところが、板前さんが最初に彼女の前に置いたネタは、見紛うことなきウニ。板前さんに「これは食べられるはずだから」と勧められ、彼女は恐る恐るウニの軍艦巻きを口に運んだ。すると次の瞬間、彼女の顔が輝き、なんと「おいしい」という言葉が口から飛び出したのだ。
「どんなネタでも、いいものを食べればおいしいんです」

キャリア形成への関心が高まっている。

多くの人が、一つの会社で定年まで勤めあげるより、一定のキャリアを築き上げて転職しステップアップしようと考えるようになってきた。

これ自体決して悪いことではないのだが、ここで問題になるのは、「自分にあった職業」「自分に向いている職業」を自らの浅い経験の上で考えるため、自ら成長への道を閉ざしているというケースである。

人は、自分の経験した範囲内でしか判断することはできない。

ところが、まだ社会人になって間もない人にとっては、職業経験はゼロに等しい。

ところが、そのゼロに等しい経験で、「自分にあっている仕事はこれだ」と決めてかかる人があまりにも多い。

世の中には何千何万という仕事があるのに、自らの狭い考えのために未来を閉ざしてしまっている。

これは機会の損失である。

では、そうならないためにはどうすればよいのか。

高橋氏が言っているように、「やりたいことを絞るのではなく、やりたくないことを減らし、いろいろと経験しながらやりたいことはこれだったのだと気づく」というアプローチである。

つまり、目の前の仕事をまず全力でやってみるということ。

この当たり前のことをすることによって、自分の中にある新しい可能性を発見できるかもしれない。

食わず嫌いをしていては未来は開けない。

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コメント

確かに間口を狭めてしまうのは、もったいないですね。
私は希望の職業にはつけなかったものの、
労働条件が良いので転職せずにずっと働き続けました。
結局ストレスで病気に罹り退職・・・
決して悪い職業生活ではなかったけど、
若い時に「この仕事向いてない」と思った時、
とっとと辞めて、別の道に進んだ方が面白かったかなとも考えてしまいます。

Lisaさん、コメントありがとう。
確かに、早めに見切りをつけるというのも大事ですね。
私も今の仕事で5つ目ですが、
今考えれば、「あの時もっと早く決断していれば」と思うことがいくつもあります。
でも、過去は変えられないので、「これでよかったんだ」と思うことにしています。

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