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2011年12月 2日 (金)

深夜特急1―香港・マカオ―

Bt000012946700100101_tl  私は待つのに飽き、賭けはじめた。
 十パタカずつ程度ならいいだろうと始めたが、ひとたび場に加わってしまうと、それはいつしか二十パタカになり、三十パタカになり、五十パタカになっていった。負けがこむにつれて賭ける額が大きくなり、金のなくなるスピードを早めた。
 千五百パタカを綺麗に使い果たしてしまい、さらに三百ドルを両替した時、底のない沼へ足を踏み入れてしまったような気持ちがした。しかし、その生ぬるい水と腐った泥土に足を取られるような感覚は、必ずしも不快なものではなかった。
 このまま博打をやっていけば、本当のいくところまで行ってしまうかもしれない。ロンドンは無論のこと、デリーに辿り着けず、いや、東京に帰ることすらできなくなるかもしれない。異国で無一文になり、立往生してしまう。だが、自分がそのような小さな破局に向かってまっしぐらに進んでいるらしいということには、むしろ意外なほどの快感があった。

本書はノンフィクションライター、沢木耕太郎氏の若き日の旅の記録。

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行こう。

ある日そう思い立った沢田氏は、仕事をすべて投げ出して旅に出る。

途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。

マカオでは、カジノに魅せられ、「あわや」というところまで行ってしまう。

特に、この賭け事にのめり込む著者の心理模写は非常にリアルだ。

周りを見渡してみると、賭け事にのめり込み、人生を棒に振ってしまう人が多くいる。

つい最近も大企業の創業者の御曹司がカジノに100億円もの大金をつぎ込んで話題になった。

これは極端な例なのだろうが、第三者からみれば、「たかが賭け事で、身を滅ぼしてしまう人の気が知れない」と思ってしまう。

しかし、賭け事は理性を狂わしてしまう、麻薬のようなものなのだろう。

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