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2011年12月30日 (金)

V字回復の経営/三枝匡

4532193427  「企業が何をするにせよ、社員のエネルギーが結集しない限りは何もできない。経営者は誰しも、朝から晩まで、そのことに最大のエネルギーを使っている」不振企業の場合、社員のマインド・行動を変えさせるために、いくら「経営意識を持て」「危機感が足りない」と叫んでもその効果は長続きしない(組織を構造的に強くできない)。
経営風土を変えるために「風土改革をしよう」とか、意識を変えるために「意識改革をしよう」などとそれ自体を目的化したところで、業績向上に辿り着くことは難しい。
社員の多くはそうしたお題目に反応していない。彼らの心は燃えないのである。
組織はその構成メンバーの大多数が、実際の自分の仕事のうえで、「目的」と「意味」を鮮明に意識し共有しない限り、組織エネルギーを発揮しないのだ。
「社員のマインド・行動を束にするには、①明確な「戦略』が示されること、②社員が迷いなく走れるようにシンプルなビジネスプロセスが組まれていること、この二つがカギだ」
「しかし、戦略とビジネスプロセスを明確化したら、それだけで会社がよくなる?それも違うね」
われわれは何のために、「戦略」を立てるのだろうか。頭のよさそうな人たちが集まって素晴らしい経営戦略を立てたら、それで会社は強くなれるのだろうか。新しい「ビジネスプロセス」をデザインして新組織を発令したら、会社は自動的に俊敏になれるのだろうか。
「経営戦略なんてただの道具・・・・・・それを書き上げただけで何かが解決するわけではない。その証拠に・・・・・・膨大な時間をかけたのに実行されない計画がたくさんあるじゃないか」それは日本だけではなく、米国企業にも頻繁に見られる現象だった。
黒岩が言いたいことは、社員の心に響く戦略を作り上げようということだった。
「われわれが「戦略』や『商売の基本サイクル』をいじくり回す目的はただ一つ・・・・・・幹部や社員のマインドを一つにすること」
「皆が目的と意味を共有すること・・・・・・そうすれば私たちの行動が束になり、すごいエネルギーが出るようになる。

本書は、実際に行われた組織変革を題材に、企業再生のカギを説いている。

業績不振の企業の組織改革をし組織風土を変えるにはクールなアプローチとホットなアプローチが必要になる。

クールなアプローチは本書でも書かれているように、明確な「戦略』を示し、社員が迷いなく走れるようにシンプルなビジネスプロセスを組むこと。

ところがこれだけでは組織は変わらない。

組織を変えるにはこれにプラスして、ホットなアプローチが必要になる。

つまり組織の構成員が一体感を持って改革にまい進できるように働きかけること。

実はこれが難しい。

組織改革が失敗に終わるのも、ほとんどはこれがうまくいかなかったことによる。

この点でうまかったのは、当時破綻寸前だった日産自動車をV字回復に導いたカルロス・ゴーン氏。

ゴーン氏はトップダウンの強いリーダーという印象があるが、実際には日産自動車で最初にやったのはクロスファンクショナルなチームをいくつも立ち上げることであった。

「ニッサンリバイバルプラン」もここからうまれた。

つまり社員のマインドがどうすれば一つになるのかということに苦心している。

組織改革をする場合、いかに社員に参画させるか、これがカギになる。

これは多くの失敗例、成功例が物語っている。

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