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2012年1月19日 (木)

「言語技術」が日本のサッカーを変える/田嶋幸三

03426  Jリーグが発足した当時、人気は一気に高まり、チーム数も14に増えました。ところが、日本人監督が率いているチームは、なんと全体の2割にしか達しなかったのです。
  その理由はいったい何か。
  「日本人の監督は、自分のチームの選手たちを自身の『論理』と『ことば』によって説得しプレーさせる力が足りない」。私たちの眼には、そう映っていました。とくに、外国から招聘された綺羅星のようなスター選手たち、ジーコ(鹿島アントラーズ)、リネカー(名古屋グランバス)、リトバルスキー(ジェフ市原)・・・が、彼らの鍛え抜かれた論理で意見をしてきたとき、日本人監督はまったくお手上げの状態でした。
  たとえば、外国人選手たちは「なぜこの練習をするのか?」と聞いてくる。彼らにとっては、練習には理由があるのが当たり前。ところが、日本人監督は説明ができないし、外国人選手から責められていると感じてしまう。それもそのはずです。それまでの日本サッカー界では、部長がいて、課長がいて、という日本的な年功序列体質と同様だったのですから。

今でこそ、Jリーグでは日本人監督が増えてきたが、それとて、ここでいうところの「言葉」の問題が解決されたからではない。

日本人監督が増えてきたのは、むしろお金の問題。

つまり、ほとんどのチームが財政難で、外国人監督を招聘するお金がなくなってしまったということ。

結果として比較的安く雇える日本人監督が増えてきた。

しかし、依然として監督の「言葉」の問題は解決していない。

そしてこれはJリーグの問題ではなく、日本の組織はほとんどこれと同様の問題を抱えている。

つまり、他者に対して論理的に言葉で説明し動かす能力の欠如という問題。

リーダーとして立っている人の中にも、この能力の劣っている人が多くいる。

どうしてなのか?

恐らくそれは、上下関係で人を動かすという形に長年慣れ親しんだ結果。

つまり、人に対して論理的に説明し納得してもらって動かすのではなく、

あくまで、上司と部下という上下関係の枠組みの中で、ポジションパワーで部下を動すという手法を当たり前のこととしてきたから。

上下関係で部下を動かす場合には、説明は必要ない。

「あれをやれ」「これをやれ」と指示・命令すれば良いだけ。

もし従わない部下がいれば、評価を下げればいい。

あるいは、いい仕事を与えないか、

そうすれば、いやいやながらでも、部下は上司に従う。

この手法に長年慣れ親しんできた日本型の上司が、いまさら、仕事の意味と目的を丁寧に部下に説明し動かそうとしても、まず論理的な説明ができない。

部下から「なんでこの仕事をしなければならないんですか」と問われた場合、

「上からやるように言われたんだから仕方ないだろう、いいから黙ってやれ」としか言えない。

しかし、時代は明らかに変わってきている。

指示・命令だけでは従わない部下が増えてきた。

人の上に立つ人は、最低限、自分の言葉で論理的に説明する能力を付ける必要があるのは明らかだ。

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