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2012年1月17日 (火)

日本人の正体/養老孟司、テリー伊藤

Znp16 養老:バリエーションが増えたのはたしかだけれど、現代人が食べている食材が昔の人に比べて増えているのかといったら、そうじゃないんですよね。縄文時代の食生活を調べている人に聞いたんだけど、縄文人は何千とかいう種類の食材を食べていたらしい。
テリー:品目っていうことですか?
養老:そう、いまは30とか50とか、食材の品目が十桁なの。縄文人は千桁食べていたっていうんだ。
養老:そう、多様じゃないんだ。決まりきったもので、いろんな食べ方をしているだけ。
テリー:アレンジしているだけなんだ。それって、逆に文化のキャパシティが狭くなったっていうことですよね。

本書は、養老孟司とテリー伊藤が語りつくした新日本人論とも言うべきもの。

ここで、対談の話題が、食べ物が多様化してきた、というところにきたとき、養老氏は、実際はちっともそんなことはない、むしろ縄文時代よりも食材の品目は減ってきている、と、述べている。

言われてみれば確かにそうかもしれない。

表面的には多様化してきているように見えて、その根っこの部分を探ってみると、ちっとも多様化なんかしていないということ。

そして、これは他のことにも通ずる見方かもしれない。

最近よく出てくる言葉に、「価値観の多様化」「多様な人材」 「ダイバシティ」 「多品目小ロット化」等々、「多様」であるということがトレンドであるかのような感覚になってしまう。

「でも、本当にそうだろうか?」 「多様化してきているのだろうか?」・・・と、考えてみる必要もあるかもしれない。

そもそも「多様化」という言葉の中に全部を押し込めて考えようとすること自体、多様化ではない。

これは思考の固定化、であり、硬直化だ。

何がことの本質なのか、見極める目を持ちたいものだ。

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