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2012年1月 6日 (金)

なぜ真のリーダーがいないのか/リー・アイアコッカ

Znp18  言葉は大事だ。20世紀を代表する雄弁家であるウィンストン・チャーチルはこういっている。
  「人間が授かった才能のなかで、雄弁さほど貴重なものはない。たとえ仲間に見捨てられ、友に裏切られ、職場を追われても、言葉をあやつる力をもっている者はいまだ怖れるに足る存在である」言葉は心をかきたてる。信じられないほどの高さまで心を飛翻させる力がある。言葉は恐怖と怒りも引きだす。人びとを地に打ち倒すこともできる。
  真のリーダーは、つねに人の心を奮いたたせる。だからといって、怒りが表現できないわけではない。人びとを動かそうとするとき、心のうちにある悪ではなく、善に訴えかける。可能性を示して人にやる気を出させ、脅したりはしない。ドワイト・アイゼンハワー大統領はこんなことをいっている。
「頭ごなしに命令して人を従わせてはならない。それは暴力であり、リーダーシップではない」

本書の著者、アイアコッカ氏は、フォード社の元社長でありクライスラー社の元会長。

その人生は波乱万丈のドラマに満ちている。

フォード社の社長就任8年目にして過去最高の業績を達成しながら、会長のヘンリー・フォード二世と衝突し、突然の解雇。

一瞬にして大企業のトップから転げおち、職を失うという衝撃的な挫折を味わう。

しかしその直後、破産の瀬戸際にあったクライスラーに社長として入り、危機に瀕していた同社の経営を見事に立ち直らせた。

著者のアイアコッカによれば、本書を書くことになった動機は、アメリカに本物のリーダーがいなくなったと感じたことだという。

アイアコッカはリーダー不在による問題をさまざま具体的に述べているが、驚くことに、ほとんどすべて日本でも問題になっていること。

さて、ここで著者は、言葉の大切さを力説している。

特に人を動かす役割を授かっているリーダーにとって言葉は重要だ。

にもかかわらず、最近の国や企業のトップの言葉の軽さと言ったら、本当に情けなくなる。

特に目立つのが政治家の失言の数々。

それを鬼の首を取ったかのように吹聴するマスコミもマスコミだが、そのような隙を与えてしまう政治家はやはり問題だろう。

なぜならリーダーにとって言葉は唯一と言ってよいほどの武器だから。

リーダーはこの言葉によって人々を感動させ、鼓舞し、勇気を与え、夢を与え、希望を与え、そして動かす。

その言葉の大切さをわきまえ、使うことのできない者は、リーダーとして立つべきではない。

少なくとも、この点で日本のリーダーは米国に二歩も三歩も遅れている。

チャーチルの言った言葉、「人間が授かった才能のなかで、雄弁さほど貴重なものはない」

まさにその通りである。

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