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2012年1月 7日 (土)

失敗は予測できる/中尾政之

Znp19   重大事故を調べると、上から下へのトップダウンの過程で起きる動脈硬化よりも、下から上へのボトムアップの過程で起きる静脈硬化の方が、失敗のリスク回避を妨げることが分かる。そして現場作業を外部に委託している場合、正社員は基本的に、現場の状況は分からないまま遠隔操作をしている場合が多い。理想的な組織は、非正社員をも自分たちの仲間として待遇し、彼らの目や鼻がセンサとして働くことを感謝し、システム全体を一緒に守るような組織である。

重大事故が起こったとき、現場で起こっていることをトップが全く把握していなかったということがよくある。

著者によると、トラブルや事故の原因の一つとして、下から上へのボトムアップの過程で起こる動脈硬化があるという。

特に近年、多くの企業は正社員のみでは構成されていない。

正社員以外に、派遣社員、請負社員、期間契約社員、パート、アルバイト、と、いわゆる非正規社員が増えてきている。

中でも、正社員が請負社員に直接、「危ないから注意しろ」と注意したら「偽装請負」として訴えられるからやっかいだ。

そして今や非正規社員の割合は3割を超える。

どの組織にも上下の壁は存在するが、それが非正規社員の増加によって、ますます厚くなってしまった。

しかも、情報は、下の階層からから上の階層へと伝わる過程で変化してしまうことがある。

いわゆる「伝言ゲーム」という現象だ。

そして、今後日本の多くの企業が海外に出て行った場合、今度は外国人労働者との情報の伝達の問題も当然、出てくるであろう。

そうなると、下から上へのボトムアップの過程で起きる静脈硬化の問題はより深刻になって来ることが予想される。

重大事故は企業の存続を危うくする。

企業が今後も生き残っていくためにも、新しい情報伝達の仕組みを構築することが急務だ。

もはや昔のやり方は通用しないということだろう。

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