« 夢を持ち続けよう!/根岸英一 | トップページ | ラクして成果が上がる理系的仕事術/鎌田浩毅 »

2012年1月30日 (月)

野球型 vs. サッカー型/林信吾、葛岡智恭

Znp1a   世界的にみればサッカーの方がずっと盛んであるにもかかわらず、日本人が主たる観戦スポーツとして、野球を選択したのはなぜか。
  このあたり、多分に想像を交えての議論になってしまうが、サッカーよりも野球の方が秩序正しく行われるスポーツである、との印象があって、それが日本人の感性に合っていた、ということではないかと思われる。
  まず第一に、野球は役割分担がしっかりしている。投手がマウンドから投げることでゲームが動くし、打順も事前に決められていて、代打という制度はあるものの、打者は順番通りにしか打席に入れない。
  これに対してサッカーは、チーム11人のうち、1人を必ずゴールキーパーとすることと、ゴールキーパーは他の競技者および審判員と区別のつく服装であることが定められているだけで、あとは誰がどんな位置でプレイしようがまったく自由である。ゴールキーパーでさえ、極端に言うと最前線まで攻め上がってシュートすることも可能なのだ(手を使える範囲は限定されている)。(中略)
  サッカーはまた、ルールがアバウトである一方、一度試合が始まってしまうと、監督や選手がタイムを要求するということはできないため、作戦とか監督・コーチの指示といったものが機能する範囲は、きわめて限られる。逆に言うと、選手が自分の判断だけでゲームを動かす度合いが非常に高い。
これに対して野球は、極端に言えば一投一打ごとにベンチの指示を仰ぐことも可能である。(中略)
  つまり野球の試合というのは、監督を頂点とする頭脳集団によって動かされており、選手は与えられた役割の中で「いい仕事」をすることを求められるのだと言って過言ではない。ルール上、そのようになっているのだ。
  このことが、集団で規律正しく動くことを好む日本人の感性に合っていたのだ、という見方は、決して皮相ではないであろう。

近年、企業の組織を、野球型とサッカー型に区分する考え方がある。

野球型組織とは、ちょうど高校野球で打席に入った選手が一球一球、監督の出すサインを見て、その通りに動くことを求められるように、

組織の形態がピラミッド型になっており、ピラミッドの頂点に位置するトップが指揮命令を下し、その下の階層は、その通りに実行することを求められる組織。

基本的に現場の裁量権はあまりなく、むしろ上司のいう通りに実行することが求められる。

それに対して、サッカー型組織とは、ちょうどサッカーの試合で監督が試合前に試合の戦術を示すことはできるが、いざ試合が始まれば個々の選手にすべて任せざるを得ないように、

組織の形態はフラットになっており、トップは大まかなビジョンや戦略は示すが、それをどう実行するかは現場の社員の判断に任せる組織。

どちらが優れているかは、時代の要請や、その企業のビジネスモデル、戦略等によって決まってくるので一概には言えないが、

大きな流れとしては、サッカー型の組織が求められているのは明らかだ。

しかし、日本人に向いているのは、どうも野球型組織のようだ。

それは古くから、野球がメジャーなスポーツで、サッカーはずっとマイナースポーツだったことからも明らか。

ただ、向いていないからといって、そのままでいいわけがない。

日本人にとって、自分の判断で動くということは苦手科目のようだが、

今後は、この苦手科目克服のために取り組む必要がある。

« 夢を持ち続けよう!/根岸英一 | トップページ | ラクして成果が上がる理系的仕事術/鎌田浩毅 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野球型 vs. サッカー型/林信吾、葛岡智恭:

« 夢を持ち続けよう!/根岸英一 | トップページ | ラクして成果が上がる理系的仕事術/鎌田浩毅 »