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2012年2月28日 (火)

日本に国家戦略はあるのか/本田優

Znp16   中曽根氏は自らの著作で、「日本は伝統的に国家戦略が欠落してきた」との見方を示し、特に戦後については「敗戦と米占領政策の影響を受けすぎて、ややもすれば自主性の欠けた大国依存型の功利的国策から出発し、その延長線で現在も自らの国家戦略が脆弱な状況で推移している」と指摘している。
  この点について、さらに筆者とのインタビューで、こう説明している。
  「日本に欠落しているのは、国家の主体性という考え方。一つには、国家の主体性と言うと、戦前の軍国主義の時代の影響もあって、国家主義の右翼的発想ととられた。
  もう一つは、冷戦下で日本は米国体系に入り、米国に依存した。政治とか安全保障の面では、日米安保条約というもので、自分で自分の体を縛っていた。したがって、国家戦略的なものを公に持ち出すことを怠った」

日本には国家戦略がないとよく言われる。

現に、著者が防衛大学校の戦略論の専門家の一人と話していたら、興味深い事実を教えてくれたという。

防衛大学校には戦略全般や、米国、ロシア、中国の戦略の専門家はいるが、日本の戦略についての専門家がいないのだという。

その人は「日本の戦略を研究したら、必然的に政府批判になってしまいますからねえ・・・」と言ったという。

日本に国家戦略が欠落していることを指摘せざるを得ないから、ということらしい。

国家戦略がないなんてこと、独立国家であれば考えられないこと。

どうして戦略なき国家になってしまったのか。

恐らく、過去、軍部の独走によって悲劇的な戦争に突入してしまったことから、「戦争」とか「戦略」という言葉そのものにアレルギー反応を起こしてしまうということが戦後長く続いたからではないだろうか。

しかし、よくよく考えてみたら、戦略的思考ができなかったからこそ、軍部の独走を許してしまったのではないだろうか。

戦略的思考ができたら、勝てない戦争、無意味な戦争はしないはずである。

これから日本が生き残っていくためには国家戦略がどうしても必要になってくる。

そろそろ、戦略アレルギーから卒業する時ではないだろうか。

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