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2012年2月29日 (水)

なぜ男は暴力をふるうのか/高井高盛

Znp14   人間は、前途が不透明になったとき不安にかられる。そして、不安になったり追いつめられると、それが引き金になり攻撃に向かうとされている。攻撃は防御の一種でトカゲの尻尾切りと同じであり、攻撃を自分に向けるのが自殺であり、外に向けるのが暴力であり殺人である。
  こうした他者への攻撃を、どのように捉えたらよいのだろうか。一つの視点として、自己増殖してやまない科学技術の進歩と、二百万年前と同じ構造をもつ人間の脳とのミスマッチと考えることも可能である。すると、それが自己責任だけでは片づけられない問題であることに気がついてくる。つまり、新しい時代にふさわしい国の文化のあり方が問われているのである。それは、壊れかけている古い社会秩序をどう構築するかという問題である。

本書は、「なぜ男は暴力をふるうのか」という命題に対する、動物的な側面を下敷きにしたアプローチである。

人間を生物学的側面から見ることによって、心の奥にひそむ暴力について考えようとする試みである。

動物は追い込まれると攻撃的になる。

同様に、人間も追い込まれると攻撃的になる。

その攻撃は内側と外側に向けられる。

内側に向けられた攻撃が自殺であり、外側に向けられた攻撃が他殺である。

今、我が国の自殺者数は毎年三万人を超える。

しかも、他殺による死者の数はこれに比例するという識者もあらわれている。

この数字は、戦時における一個師団の戦死者数以上であり、普通ではない。

理由は一様ではないが、これを大きく捉えると社会的動物としての人間が適応への努力にもかかわらず、時代の変化についていけず不適応を起こしたためと推察することができる。

今は変化の激しい時代である。

それ故に、多くの人がそれについてゆけず不適応を起こしている。

今後益々、そのような人は増えてくるのではないだろうか。

そうすると、それはある時点で内と外への攻撃となって現れる。

そのことを考えると、ちょっと怖くなってくる。

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