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2012年2月17日 (金)

ぼくらの頭脳の鍛え方/立花隆、佐藤優

Znp14 立花
  佐藤さんがギリギリのところでこらえることができたのは、やっぱり読書体験があるからですか。一種の擬似体験というか。
佐藤
  そうです。読書による擬似体験の力はものすごく強い。あの檻の中で耐えられたのは、ソ連崩壊のときにいろんな人間模様を見た経験と読書による擬似体験、その二つがあったおかげです。既視感があったんです。たとえば供述調書を見る。そうすると、カレル・チャペックの小説『山淑魚戦争』(岩波文庫)なんかが思い浮かんでくるんです。物語の中で山淑魚が異常に発展して技術的な能力を身につけていくんだけれども、音楽、文学、絵画、芸術を一切解しない。そういう山淑魚のイメージと官僚たちが重なってくる。書籍の力というのはすごい強いんですよね。

本書は立花隆と佐藤優との読書についての対談。

「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が古典の読み方、仕事術から、インテリジェンスの技法、戦争論まで、知性の磨き方を余すところなく語り合っている。

ここでは、2004年に佐藤氏が逮捕されたとき、同じ容疑で逮捕された東大法学部卒のキャリアは容疑を認めてしまったのに、佐藤氏はどうして最後まで耐えられたのかというところに話が及ぶ。

佐藤氏の答えは「読書による擬似体験」があったから、というもの。

これはどういうことなのか。

推測するに、擬似体験とは、本来の自分から幽体離脱して、検察官から尋問されている自分を、上から見ているような状態なのではないだろうか。

検察官から問い詰められている自分がいる一方、それを上から、冷静に、時には第三者的に見つめている自分がいる。

だから、冷静になれるし、厳しい状況にも耐えられる。

こんなイメージだろうか。

結局、自分を客観視するとはこういうことではないだろうか。

それが読書によって得られるとしたら、本代など安いものだ。

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