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2012年3月 7日 (水)

自分で決められない人たち/矢幡洋

Znp1a   さて、ここで指摘されているような、依存性性格者の他人の気持ちへの細やかな気配りというものは、日本人的な理想のコミュニケーションにほぼ一致しているのではないでしょうか。日本の伝統的な対人関係では、相手がはっきりと要求するよりも前に、相手の要求を的確に見抜いて対応すると「気が利くねえ」と高く評価されます。相手がしてほしいであろうような、痒いところに手が届くようなサービスを円滑に行って、そこに気まずさなどが生じないように上手に運ぶ「気配り」が対人関係のスキルとして重要視されてきました。これらは、依存性性格者が相手の欲求などを的確に見抜く能力が高いという前記の研究結果と符合します。これは「日本人は依存性が強く、お互いに阿吽の呼吸の世話焼きをしあうような対人関係を好む」と考えると、うまく説明できるのではないでしょうか。日本人に比べるとアメリカ人などの対人関係は、口に出してはっきりと示さない限りは、自分から相手に気配りして配慮するなどということは少ないのですが、これは彼らの社会が「相手の気持ちをくみ取る」ということを重視しない自立的な対人関係を基本としているからなのかもしれません。

依存性の心理をテーマとする本は欧米にはほとんどないという。

このこと一つをとってみても、依存性というものが日本人特有のものであることがわかる。

依存性は、日本人の最も典型的なパーソナリティーであり、日本社会解明のカギになるかもしれない。

「癒しブーム」「電車の中で化粧をする女性」「地べたに座り込む若者」「ウケ狙い」「たれパンダ」「脱力系キャラ」などの現代日本社会の現象も依存性と深い関係があるという。

逆に「おもてなし」や「気遣い」という日本特有のサービスも、ある意味依存性がプラスの面で現れた側面と考えられる。

しかし、今のような変化の激しい時代においては、「自分で決められない」「決断が遅い」「合議制」という依存性に基づいた日本人の特性はマイナスに働いている部分が多いように感じる。

やはり、こんな人ばかりでは社会は何も実現できないのではないだろうか。

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