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2012年3月31日 (土)

人はなぜ裏切るのか/藤本ひとみ

Bt000010865100100101_tl   1804年、皇帝になったナポレオンは、その翌日、帝国元帥制度を発足させた。軍人の頂点をはっきりとさせ、兵たちにそれを目指させるためである。
  当初の帝国元帥は18人、ナポレオンの下で戦功を立ててきた将官ばかりであり、マルモンの名前も当然その中に含まれているはずだった。
  ところが名簿が発表させてみると、マンモルははずされていたのである。もっとも古い部下であり、多くの働きをし、ナポレオンの腹心として自他ともに許していたにもかかわらず、ナポレオンはマルモンを元帥に任命しなかった。
  マルモンはたいそうショックを受け、元帥叙任者に八つ当たりをしたといわれている。
  この時マルモンの心に、自分は正当に評価されていないという思いが芽生えたとしても不思議はない。

本書はナポレオンを裏切り、破滅へと追いやった7人について述べている。

その中で一番印象に残ったのはマルモンに対する考察。

マルモンが裏切った原因は、ナポレオンによる評価の低さがあった為とし、さらにそれは風采も育ちも教養も低かったナポレオンのマルモンに対する嫉妬のせいではないか?と、見解を述べている。

著者によるとナポレオンの出身は植民地コルシカ、身長は167センチと小男、多くの病気を抱え、話に訛りが強く、書く文字は間違いが多く、女性にもてない。

一方、こういう立場の男が憧れたであろうすべて、健康な体質と長身、身分、経済力、教養、気のきいた会話のできる力、魅力的な雰囲気、それらに恵まれたのがマルモンだった。

これがナポレオンの嫉妬をかい、マルモンの低評価につながったのでは、という考察である。

これはあくまで著者の推察なのだが、組織は感情を持つ人間の集まりなので、非理性的なことがよく起こるもの。

あながち間違いではないかもしれない、と思ってしまった。

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