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2012年3月22日 (木)

不登校の解法/団士郎

9784166600854   新しく経験したシステム論に基づく家族療法の考え方は、長年児童相談にかかわってきた私にとっては革命的でした。
  子どもの問題解決に、両親や祖父母、兄弟などの協力を求めるのは、とくに新しいわけではありません。家族へのアドヴァイスは従来から行なってきたことでした。ではなにが新鮮だったかというと、家族をどのようなものだと理解し、それに対してどう取り組むかという点でした。中でも問題解決のために原因を探ることをしない視点は画期的でした。これは家族の中に問題の原因を作った犯人を探すのを止めることでした。
  それまで私たちは、問題解決には原因や真相の究明が不可欠だと考えていました。今考えると、『なにが(誰が)悪いのか』よりも『どうすればいいか』が役に立つというのはあたり前のような気がします。しかし問題解決にはやはり根本原因を明らかにして、それを取りのぞくところから始めるべきだという確信は強固なものです。これまで私たちが学んできた科学的、合理的な考え方は、ものごとには原因があり結果はそれに属しているという因果論です。この考え方は現在も私たちの日常を支配しています。それに実際、多くの現象はこの考え方で説明できるものだと思います。
  例えば同じ工場で、同じ材料で製造されたモノは、同じモノだと考えるのが理にかなっています。その前提で、問題の解決手段を講じていきます。しかし、同じ親のもとで同じように育ちながら、兄弟がまったく異なった人生を歩むことはよくあります。そこで私たちは、人間の行動や家族の選択は、因果論的に見れば非科学的で合理性を欠くこともしばしばあるという現実を認識するところからスタートしました。
  原因と結果では結びきれない現象が、子育て問題や家族の問題に数多くあるとしたら、その解決にも、因果論とは異なる新しい考え方が必要だったということになります。

物事には必ず原因と結果がある。

『「原因」と「結果」の法則』という本があるくらいだから、この考え自体間違ってはいないだろう。

ただし、家庭の問題、特に不登校やひきこもりの問題にこれをそのまま当てはめようとするとおかしくなってしまうことが多い。

なぜ、こんなことを言うかというと、私の家庭が、不登校の子を二人抱えているからである。

多くの場合、何か問題があると、その原因を探ろうとする。

ところが、家庭の問題でこのことをそのままやろうとすると、必ず犯人探しになる。

結果、夫婦の関係そのものがギクシャクしたものとなり、そのことがさらに悪い結果を生む。

まさに負のスパイラルに陥ってしまう。

ただ、何が真の解決法なのかというと、未だにこれといった方法は見つからない。

だが、このことを通して私自身は随分と謙虚にさせられたと感じている。

その意味では感謝しているのだが。

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