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2012年3月 4日 (日)

黒澤明伝ー天皇と呼ばれた映画監督/三國隆三

51sfqy3h6vl__sl500_aa300_ 「私は、昼食もそこそこに、試験場に行って見たが、そのドアを開けてギョッとした。若い男が荒れ狂っているのだ。それは、生け捕られた猛獣が暴れているようなすさまじい姿で、しばらく私は立ちすくんだまま動けなかった」
  男は本当に怒っているのではなく、演技の課題として与えられた、怒りの表情を実演していたのだ。審査委員長は師匠の山さんで、投票による審査の結果、この男は落第と決まった。
「ちょっと待ってくれ」と、黒澤は思わず大きな声を上げた。労組の力が強かった当時、組合の代表が監督、俳優と同じ権利を持って投票に加わっていたことに、腹をすえかねたこともあった。結局、山さんが「監督として責任をもつ」と発言して、三船を補欠合格させた。

黒澤明監督と三船敏郎との出会いは衝撃的だ。

「人生は出会いで決まる」ということばがあるが、両者にとってまさに運命的な出会いと言ってもよいだろう。

もし、この時、黒澤明の目に留まらなければ、三船敏郎は試験に不合格となり、俳優としてデビューすることもなかったであろうから、出会いの不思議さを感じざるを得ない。

この後、黒澤明は世界的な映画監督となり、三船敏郎もやがて「世界のミフネ」と呼ばれるようになる。

多くの成功者と呼ばれる人が、「自分は運がよかっただけ」とよく言うが、確かに人生において偶然の占める領域は大きいように感じる。

それだけに「出会い」を大切にしたいものだ。

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