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2012年3月26日 (月)

坂本龍馬の魅力に迫る/折本章

C__docume1__locals1_temp_znp38   海援隊の任務は「運輸、射利、開拓、投機、本藩の応援」とされている。射利とは、利益を得ようと目論むことである。当時の武家社会においては、利を追求することは最も卑しむべきこととされていたが、それを堂々と海援隊の目的に掲げている。龍馬の先進的な新感覚がうかがえる。金銭を卑しきものとして蔑んだ武士が、金銭の欠乏に泣かされているというのが、当時の武士という皮肉な状況であった。
  隊の運営は原則として隊の収益によって賄うが、窮した場合は藩から補助してもらうことになっていた。隊員は航海、測量、医術、文、武、商などの職務を能力に応じてそれぞれに分担し、その身分は平等で事の決定はすべて合議で行われた。これによって各人が持ち味を十分に生かし、嬉々として活動することができた。
  封建制の下では希に見る民主的な運営方法であり、一切の身分差別を排除し方針決定はすべて合議制とした。龍馬の人間性が滲み出ている。運輸や商業行為のほか、政治・経済・航海・語学などの研究・研修活動や著作の出版などにも取り組んだ。単なる営利団体というだけでなく、能力を磨き人材開発をも念頭に置いた教育機関たる一側面も備えていた。古い仕来りに停滞することなく、時代を先取りする進取の精神がありありと窺える。

坂本龍馬といえば「海援隊」「薩長同盟」「船中八策」などの言葉が思い浮かぶ。

ここでは、海援隊について述べられているが、ここでもはっきりとみられるのが古い仕来りにとらわれない発想の柔軟さと現実主義である。

この当時の武士の仕来りとして、利を追求することは卑しい事とされていた。

それを堂々と利を得ようと目論むことを任務としている。

考えてみれば当たり前のことで、結局は経済的な基盤がしっかりとしていなければ、どんな高邁な理念を掲げても長続きはしない。

やはり、理想を追求するにしてもお金は必要である。

このことは多くのボランティアが結局長続きしないことを見るとよくわかる。

良いことを永続させるためにもやはりお金が必要なのである。

このことを龍馬はしっかりと理解していた。

そして海援隊の人材の活用法や教育法などは、そのまま現在の企業の人材活用や育成につながるもので、当時としては先進的である。

今から約150年まえにこんなことを考え実行していた人物がいたことは驚きである。

それと比較すると、自分を含めて、現代人はいかに器が小さくなってしまったことかと思ってしまう。

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コメント

こんにちは。

私は 折本章の三女です。

父の本を読んでくださり ありがとうございました。

父は5月11日に 他界いたしました。これからも いろんな人に読んでもらいたいと思っています。

最期の自費出版は 「乃木希典の品格と忠誠」となりました。

もしよければ お時間がありましたら 読んでいただければと思います。

本当にありがとうございました。

(このコメントは、掲載しないでいただければと思います。)

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