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2012年3月17日 (土)

日本人ほど個性と創造力の豊かな国民はいない/呉善花

C__docume1__locals1_temp_znpa1   ビジネスの世界でいえば、韓国人ならば、なにはともあれ企業のトップに立って采配をふるうことを夢見る。かの中国人ビジネスマンにしても、将来は独立して自分の会社をもちたいという。そこからさらに、世界的な注目を浴びる企業へと羽ばたくことを夢に描くのだ。そうした大きな夢があってこそ働くことができる、というのが中国人であり韓国人である。
  一方、多くの日本人はそのように夢を語ることをしない。第一線で活躍しているビジネスマンからすら、「社長になりたい」「経営トップを目指している」といった思いを聞かされることはまずない。
  「それではなんのために働いているのですか?」と聞いてみると、「家族のためにですよ」とか「食うためにかな」などと、実に現実的な発言に終始することが多いのである。いつも、なにかはぐらかされたような思いをもたされてしまう。
  日本人は、他人より上に立とうとする意志を表に出すことを恥とするから、実際にはそれぞれ内に秘めた夢があるのかもしれない。そうも思うが、中国人や韓国人からすれば、やはり日本人はことさら大きな夢をもつことなく一所懸命に働くことのできる、不思議な人たちに見えるのは確かである。
  日本人は心のどこかで、小さなことをコツコツと積み上げていけば、必ず立派なものになっていくということを信じている人たちだ。したがって、うまくいかないのはそうした努力が足りないからだと考えようとする人が多い。上海のビジネスマンたちもそうだったが、中国人はそういうことをほとんど信じていないし、韓国人もそれに次いでいる。理屈としてはわかっても、そうした方向に意識が向いていかないのである。

確かに日本人は中国人や韓国人と比較して、他人を蹴落としてまでトップに立つという意識は弱いのであろう。

逆に、外国人から見て、そのような野望を持つこともなく、まじめにコツコツ働く日本人は奇異に見えるようだ。

日本の代表的企業トヨタが得意とする「改善」も、まじめにコツコツという国民性が土台にあって始めて可能になる。

逆に外国の企業がトヨタをまねしようとしても、なかなかできないのはこのような国民性まではまねできないところにあるのではないかと思う。

ただし、今、日本は岐路に立たされている。

まじめにコツコツ働くだけでは、今のグローバルな競争社会では勝ち残っていけない現実が目の前にある。

日本人のよい部分は残しつつ、欠けている部分は取り入れる柔軟性が、これからは求められていくのではないだろうか。

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