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2012年3月27日 (火)

ジェームズ・ボンド 仕事の流儀/田窪寿保

C__docume1__locals1_temp_znp1d   チームワークは素晴らしい。誰もがそれは認める。
  ボンドも時にはチームワークで仕事をする。特にCIAのフィリックス・ライターは、共に助けあう親友という立場だ。だが、どちらかというとチームを重要視するアメリカ型スパイ活動と比べると、ダブルオー諜報部員は個人プレイがお好きのようだ。ミッションに関しても、チームにではなく、諜報員個人にミッションを託される。(中略)
  個人的に思うのだが、日本で言う「チームワーク」とイギリスで言う「チームワーク」とは、若干意味が違うようだ。イギリスでもチームはもちろん大切であるが、ベースとなっているのはやはり個人主義。個々の異なった楽器(人格)が集まり、優秀な指揮者の下に同じ音楽を奏でるオーケストラ、といったイメージだろうか。日本で言うチームワークは、逆に「集団行動」と意味が近い。つまり北朝鮮のようなマスゲーム的な世界である。村社会的な農村文化をベースに持つせいか、人と違うことをするのを嫌う文化がそこにはある。
  そんな中でのチームワークとは、やはり個性を消して、人から突出したことをしないこと。つまり出る杭は打たれないようにすることだ。
  ボンドの世界でのチームワークとは全く違う。英国発祥のスポーツ、ラグビーの有名な言葉「オール・フォア・ワン/ワン・フォア・オール」が、すべて表しているだろう。つまり個々がいかに自分の個性を持って、事に臨むかが大切なので、チーム自体が大切なのではない。特にミッションの遂行にとって、チームが邪魔な場合は、個人行動を優先させることも時には必要だ。

英国紳士の物の考え方、ファッション、嗜好、ユーモアのセンス、精神性、等々、これらは映画007シリーズのジェームズ・ボンドの立ち居振る舞いをみればよく分かる、というのが本書の主な内容。

ここではチームワークについての日本と英国との根本的な違いについて述べている。

確かに日本でチームワークというと、個を殺して集団行動をするというイメージが強い。

そこでは金太郎飴的な個が求められる。

しかし、英国のチームワークとはそれぞれ専門性を持つ個が、お互いその個人の特性を十分に発揮し、補い合い、ある時にはそれによって化学反応を起こし、シナジー効果を表し、結果として集団としてのパフォーマンスを最大化することを意味する。

同じ「チームワーク」ということばを使っておりながら、その内容は全く異なる。

どちらが成熟したチームワークかといえば、やはり英国型に分があるように感じる。

確かに日本的なチームワークも良い面はあるのだろうが、下手をすると個の力を殺してしまうことになりかねない。

そろそろ日本も英国型のチームワークへと脱皮する時にきているのではないだろうか。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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