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2012年3月30日 (金)

勝手に絶望する若者たち/荒井千暁

C__docume1__locals1_temp_znp1f   ここで、入社後しばらくして離職していった人々が語っていた「離職理由」のうち、育成の側面から切り出されたものをふたたび列挙してみることにします。
A)仕事を教えてくれなかった。
B)即戦力になれなかった。
C)意見を聞いてもらえなかった。すべてが一方的だった。
D)したいことをやらせてもらえなかった。
E)採用面接では、「したいことは何か」と詳しく訊かれたが、実際は別の仕事になった。
F)職場の雰囲気が悪かった。遊び場だと思っている人もいれば、陰湿な言動もある。
  どこでどういったすれちがいがあったのでしょう。何か欠けていたものがあるとするなら、それは何だったのでしょうか。
  わたしが判断する限り、それらに対するヒントは、この離職理由の裏に隠されていました。ひとことでいえば、やりたいことがぼんやりイメージされているだけで、それがひとり歩きしてしまっているのです。

せっかく苦労して入った会社を3年以内に辞めてしまう若者が増えている。

産業医である著者は、その原因の一つは「やりたいことがぼんやりイメージされているだけで、それがひとり歩きしてしまっている」からだと言っている。

これはどういうことだろうか?

つまり、自分としては、やりたいことがわかっているつもりだし、自分にとってその仕事が最適であると信じてはいるものの、経験を伴っていないから骨太になっていないということ。

仕事というものは、やってみなければわからないもの。

しかも、これだけやれば向き不向きがわかるといったような判断基準さえない。

ところが、若い人たちが抱く仕事のイメージは、インターネットやメール、あるいはリクルーターなど間接媒体から得られた情報のみによって組み立てられる傾向が強い。

ただ、このような形で得られる情報は、上澄みだけ掬い取られた薄い内容。

これをもって、その仕事の内容をすべて知っていると思ったら大きな間違い。

おそらくそれらの媒体を通じて得られる情報は、仕事の実体験を通じて得られる情報のごく一部分にしかすぎない。

これが「やりたいことのイメージがひとり歩きしている」状態ではないだろうか。

自分が勝手に作ったイメージによって、勝手に絶望する。

まさに「勝手に絶望する若者たち」というタイトルの通りである。

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