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2012年4月12日 (木)

1940年体制/野口悠紀雄

Bt000012844200100101  この条件を生かして日本経済を根本から改革するための必要条件は、古いものを助けないことだ。それにもかかわらず、自民党政権は、自動車買い替え、エコ家電によって需要を喚起し、雇用調整助成金によって過剰雇用を温存しようとした。これは、従来型の産業構造を維持しようとするものにほかならない。民主党も、この政策から脱却していない。法人税の減税が必要と言われるが、それを実現しても古い産業構造をさらに延命させることにしかならないだろう。経済政策を大転換させる必要性は、緊急のものである。

本書で野口氏が主張しているのは、「現在の日本経済を構成する主要な要素は、戦時期に作られた」という仮説である。

そして、現在の日本の経済体制はいまだに戦時体制であることを指摘している。

本書のタイトル「1940年体制」はここから来ている。

その意味するところの第一は、それまでの日本の制度と異質のものが、この時期に作られたこと。

日本型企業、間接金融中心の金融システム、直接税中心の税体系、中央集権的財政制度など、日本経済の特質と考えられているものは、もともと日本にはなかったものであり、戦時経済の要請に応えるために人為的に導入されたもの。

第二の意味は、それらが戦後に連続したこと。

これは、終戦時に大きな不連続があったとする戦後史の正統的な見方には反するものだ。

特に重要なのは、官僚や企業人の意識の連続性である。

日本企業の特徴とされる、年功序列、終身雇用、企業別労働組合も、その象徴であるとする。

私たちが「日本的」であると思っているものの多くは、実は日本に古来からあったものではなく、戦時期につくられたものであり、それが今に至るまで続いているのだという指摘はナルホドと思わされた。

そして、今まさに日本では1940年体制が崩壊しようとしている。

これはある面、チャンスではないだろうか。

ここで変われなければ、日本はもっと衰退していくような気がする。

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