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2012年4月27日 (金)

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人/勝間和代

C__docume1__locals1_temp_znp23  日本で最も人気がある病院のひとつ、亀田総合病院の亀田信介院長と話をしていた時に、伺った話では、亀田総合病院では「TKK出身の医者には気をつけろ」ということばがあるそうです。
  TKKとは、東大、京大、慶應の頭文字でして、この3つの大学の医学部は最も受験偏差値が高いところです。そして、そこに入ることができたアカデミック・スマートなお医者さんには、高い確率で、打たれ弱い人が多いのだそうです。
  例えば、新人の医者は点滴や注射など、どれも下手に決まっています。それを患者さんや、看護師さんに指摘されると、自分の失敗が許せず、恥ずかしくて、病院に出てこなくなったりしてしまうそうです。それもそのはずで、TKK出身の医者はもともと医者になりたかったのではなく、たまたまアカデミック・スマートだったので成り行きで周りの勧めから偏差値の高い大学の医学部に入ってしまって、気がついたら医者になってしまった人がいる確率が高いからです。しかし、医者というのは大変な長時間重労働で人に奉仕をする仕事であり、そこになじめないという悲劇が起きているのです。

世の中、高学歴の人ができる人だとは限らない。

むしろ、大した学歴がなくとも、高い業績を残したり、会社を興したりする人がいる。

本書は、そのことを「アカデミック・スマート」と「ストリート・スマート」という言葉で説明している。

「アカデミック・スマート」とは、学歴が高いとか、与えられた勉強に対してよい成績が取れること。

一方「ストリート・スマート」とは、人情の機微や人の動きをよく分かっていて、どういう状況でも正しい判断がよくできて、かつ、自立心が旺盛である、独りよがりではない、というイメージ。

日本はこれまで「アカデミック・スマート」偏重主義に陥っていた。

確かに、そのような人は実務能力に長けている。

問題処理能力があり、即座に解を出す能力を持っている。

その典型例が官僚である。

しかし、それは、正解がある問題を解く能力。

世の中、正解のある問題は、そう多くはない。

多くは、正解のない問題。

または、なにが問題なのかすらはっきりしないといったもの。

そのような中で前に進んで行かねばならない。

求められるのは、状況理解・判断能力がある人。

気持ちの機微がよく分かる人。

自立心が旺盛だが、独断的ではない人。

そして打たれ強い人。

つまり「ストリート・スマート」な人である。

そろそろ日本も「アカデミック・スマート」偏重主義から脱すべき時だろう。

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