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2012年4月25日 (水)

ホンダ・インサイト革命/赤井邦彦

C__docume1__locals1_temp_znp1f  ここで最も重要なのは、ホンダがインサイトに189万円という価格を付けたことだ。
  この価格が基準になってホンダのこれからのハイブリッド車開発、あるいはハイブリッドを越えた環境対応技術へと話は広がっていく。ホンダはなぜインサイトを189万円で売りたかったのか。答は簡単だ。この価格こそ、ハイブリッドは高価といわれた神話を崩壊させ、出来る限り多くの人がインサイトを購入しようと心を動かす価格だったからだ。
  「一流の技術でも、みんなが使わなければ存在の意味がない。みんなが使って初めてその技術は生きた技術と言える」と、かってホンダ創始者の本田宗一郎は言った。つまり、高度な技術も安価に分け与える。それが出来て初めてその技術は世の中に広がり、その技術が持つ役割を果たすことになるのだ。
  インサイトのハイブリッド・システムを開発する時、それに携わった技術者は恐らく自分を殺して作業にかからなければならなかったはずだ。それは、完成したクルマを189万円で販売するという取り決めが最初にあり、その価格を実現させるために許される技術開発にしか手が出せなかったからだ。

大ヒットした、ホンダのハイブリッド自動車「インサイト」。

自動車販売苦戦の時代に、なぜインサイトは売れたのか?

そこから見えてくるものがある。

近年、新興国の安い人件費を基礎とした安い商品に日本の製造業は押され気味である。

一つの原因は、ガラパゴスと揶揄される日本の商品の過剰品質にある。

いくら品質がよくても、高すぎては一般大衆は買えない。

安かろう悪かろうでは話にならないが、そうは言っても適正価格というものがある。

ここにホンダがインサイトに189万円という価格を付けた意味がある。

なぜ189万円でなければならないかというコンセプトも明快である。

189万円という価格に落ち着かせるために、何ができて何ができないのか。

そのようにしてできたのがインサイトだった。

インサイトの成功は、日本の製造業が生き残るための一つのヒントを与えてくれる。

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