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2012年4月28日 (土)

時代の“先”を読む経済学/伊藤元重

C__docume1__locals1_temp_znp1f   モッテルリーニという人の『経済は感情で動く』(紀伊国屋書店)という本はこうした点を考えるうえで興味深い視点を提示している。この本は「行動経済学」あるいは「経済心理学」と呼ばれる分野を一般読者向けに解説したものである。経済の現場には単純な合理性だけでは説明できない心理学的な要素があるという。著者はいろいろな心理的現象を取り上げているが、ここで紹介したいのは「現状を維持したい」と人々が考える傾向が強いという指摘である。
  無作為に選んだ二つのグループの一方に「あなたは安価だが基本的機能はついている携帯電話を使っている。高価だが機能が豊富な機種に買い替えますか?」という質問を、もう一方のグループに「あなたは高価だが豊富な機能がついている携帯電話を使っている。基本的な機能しかつかないが安価な機種に買い替えますか?」という質問をぶつけたところ、(無作為に選んだはずの)二つのグループともに、現状維持を選んだという。
  どうも人々の意識の底には「生来の保守主義」が潜んでいるようだ。現状維持を無意識のうちに選択するという傾向は、行動経済学のいろいろな実験で検証されているようだ。

人は元来、保守的なものだと思う。

変革だとか改革とかはできればやりたくないと多くの人が思っている。

だから、変革を求められたとき、多くの人は抵抗する。

いろんな例をあげて現状維持の優位性を説明しようとする。

私も仕事で関与先の人事制度改革を進めようとすると、必ず大きな抵抗に会う。

全社員が諸手をあげて賛成するということはあり得ない。

特に現状維持の方が居心地がよいが、今変えなければ将来、様々な問題が起こる、といった場合、現状維持を選ぶ人は多い。

特に何かを変えれば、必ず不利益を被る人は出てくるものだ。

その人は強く抵抗する。

今の消費税の問題、年金の問題、原発の問題、すべてこの公式が当てはまる。

だから、リーダーはこのことをいつも頭に置いておくべきだ。

リーダーとして変革を求めるときには、必ず大きな抵抗に会うということを覚悟しておくべきなのだ。

リーダーは人気取りではできない。

多くの人から憎まれることもあるのだから。

大事なことは「覚悟」である。

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