ウェブ新時代の「口コミ」戦略/小池晋一
あなたの勤めている会社が、インターネット時代のビジネススタイルに関して、昨日の延長が今日で、明日はその延長にあるのだから大きな変化はないと思っていたり、時間はたっぷりとあるから、他社の取り組みなども見ながらじっくり検討していけばいいと思っていたりするならば、その会社にはもう赤信号が点灯しているかもしれない。
「いきなり、何をバカなこといってるんだ!」と不愉快に思うかもしれないが、ここは一度そう思って、視野を広げてみたほうが理解しやすい。
まず、はじめにいいたいことは、従来のマーケティング指針といえた購買行動プロセス「AIDMA(アイドマ)の法則」が、インターネットの普及により、どうも「AISAS(アイサス)の法則」に変わってしまったらしいということである。(中略)
AISASは、Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の五つのプロセスにより、消費者の購買行動を定義している。従来のAIDMAとの違いは、Desire(欲求)とMemory(記憶)が削除されて、かわりにSearch(検索)とShare(共有)が追加されていることである。
これは、Interest(関心)をもったらDesire(欲求)しMemory(記憶)するかわりに、すぐにネットに入ってSearch(検索)し、ほしい情報をすぐに入手するように変わってきたことを示している。インターネットが普及した今日では、だれもが納得しやすい指摘である。
AIDMAの法則は販売に携わる人であれば誰もが知っている法則である。
私も以前勤めていた会社の研修で習ったことがあるので、よく覚えている。
確かにこれは仮説にすぎないのだが、実際に人が何かを購入する場合には、このステップを踏むということは間違いないと思っていた。
ところが、今のネット社会ではAISASの法則だというのである。
これはまさに目からウロコである。
しかし、いわれてみれば確かにそう。
自分自身の行動を振り返ってみてもDesire(欲求)とMemory(記憶)の代わりに、Search(検索)とShare(共有)という形に変わってきている。
ということは企業もこれを前提にマーケティングの戦略を立てなければ生き残れないということ。
従来型の販売方法が通用しなくなるはずである。
でも、どれだけの企業がこのことに気づき対策を立てているのだろう。
相変わらず従来型の販売方法に固執している企業が大半なのではないだろうか。
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