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2012年4月17日 (火)

弁護士の仕事術・論理術/矢部正秋

C__docume1__locals1_temp_znp24   哲学者サルトルは「地獄とは他人である」という。自分とは育ちも環境も違う他人は、自分とは完全に違う価値観や世界像をもっている。
  だが、ふだんからそう考える日本人は少数派だろう。
  日本のような擬似同質社会では「話せばわかる」を暗黙の前提にしがちである。日本人は、「とことん話し合っても絶対にわかり合えない他者」の存在に慣れていない。相い容れない価値観を認めず、対立を暖昧にしたまますべてが流れていく。家庭でも、職場でも、社会でも、「個人の存在」は希薄である。
  とはいえ、それは単に表面上のことであって、個人の間の溝は意外に大きく、他者の内面はうかがいしれない。
  たとえばリストラ、不況、離婚、事故、災害など、危機的状況に直面してはじめて自分と他人との暗く深い溝に気がつく。同じ価値観をもち、同じものの見方をしていると思っていたのが、人生の裂け目に直面して、実はまったく相反する見方をしていたことに驚く。

『日本人は、「とことん話し合っても絶対にわかり合えない他者」の存在に慣れていない』

これは国際弁護士として活躍する著者だからこそ言える言葉だと思う。

確かに、私たちが人と接するとき、「話せばわかる」と安易に考えてしまいがちだ。

しかし、「話しても絶対に分かり合えない関係」が、世界には多く存在する。

いやむしろ、そのような関係が世界ではあたりまえなのかもしれない。

そして、それを前提に、ではどうしたらよいのかと考えること。

これが交渉術というものなのかもしれない。

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