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2012年6月22日 (金)

ソニーの法則/片山修

Photo   盛田さんとのいちばんの思い出といえば、やはり飛行機のなかでなんですが、「飛行機が落ちたら、どうするか?」という問いに端を発して、宗教論争をしたことがあるんです。お互い熱くなって、延々やりました。そのとき、盛田さんは、「君ね、やっぱりそれはその人の運命だから、乗った飛行機が落ちたら、その人が落ちる運命にあっただけのことだよ」といったのです。私は、「ああ、いい答えだなあ」と、しみじみ思いました。その何とも潔い答えが、当時の私の心にしみ込んだのを、いまだに覚えていますよ。
  盛田さんという人は、そういう潔さを持った人ですから、ビジネスの面でも、気持ちのいいスピード感がありました。周りの状況が変わったら、さっと戦略を切り換える。これはいかんと思ったら、すみやかに撤退して次を考える。そういうときのスピードが、ものすごく速い。
  かつて、盛田さんは、大きなビルを建てて半年もしないうちに、つぶしてしまったことがあるんです。まだ本社ビルが木造だった時代、木造の建物の裏に、新しいビルを建てた。そのピカピカの真新しいビルを、本当に壊してしまった。「盛田さん、何でそんなもったいないことをするんですか」と、私は聞きました。すると、「いや、君ね、あのビルは失敗作なんだよ。人間、誰しも失敗はするもんだから、失敗したときはスピードでカバーすればいいんだよ」といって、平然としていました。その言葉は、本当に強烈でした。

本書は、ソニーの現職、OB、若手からトップまで、年齢、性別、職種の異なる14人へのインタビューから構成されている。

様々なエピソードの中で、一番多く登場するのは、やはり創業者の井深大氏と盛田昭夫氏についてである。

表記のエピソードは盛田氏についてのもの。

少々乱暴な面もあるが、ものすごいスピード感である。

やはり経営のトップはこのくらいのスピードと決断力、そして潔さが必要なのだろう。

この当時のソニーは、日本の企業でありながら、まったく日本的ではない。

ソニーのトップは、おとなしく神輿に乗っているようなタイプではなかった。

自分で考えて、自分で動いて、何かひらめいたものがあると、自分で何でもつくってしまう。

そんな人たちばかりだった。

井深氏はその急先鋒で、天才的な直観力をもって、ソニーをグイグイ引っ張っていった。

そして盛田氏も持ち前のセールスマンシップとバイタリティーでソニーを世界的な企業に成長させた。

恐らくそれがソニーのDNAなのだろう。

しかし、本書の書かれたのは、1998年。

今から、10年以上も前のこと。

今もそのDNAは受け継がれているのだろうか?

最近のソニーをみると、ソニーらしさが失われてしまっているように見えてならない。

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