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2012年6月12日 (火)

ニュースの読み方使い方/池上彰

Photo その際、常に考えるのは、「要するに、どういうことか」ということです。
 たとえばイラクの戦後復興。大人向けニュースなら、「イラクの戦後復興に向け……」という言い方で理解してもらえますが、子ども向けですと、そうはいきません。
 たとえば、こんな表現になります。
 「イラクに対して、アメリカ軍やイギリス軍が攻撃してイラク戦争が起きたよね。その結果、それまでイラクでとても強い力で国民に言うことをきかせていたフセイン大統領がいなくなってしまった。すると、フセイン大統領の命令で動いていた役所も警察もなくなってしまって、国内は大混乱になった……」
 こんなふうに言い換え、文章を補い、ようやく子どもたちに理解されるものになります。「要するに、どういうことか」と常に自分に問いかけをしていると、漠然とわかった気になっていたニュースについて、自分がいかに知らないか、あるいは、実に浅い理解しかしていなかったかがわかってきます。「政権」や「独裁」などの用語を、当たり前のこととして使っていて、それが何を意味するか、考えたこともなかった……ということに気づかされるのです。
 自分はどれだけものを知らないか。それに気づくことで、物事に対して謙虚な気持ちが生まれ、理解するための意欲も生まれます。情報収集に対する情熱は、ここから生まれてくるのだと思います。

池上氏は、いつも「要するに、どういうことなのか」、と自分に問いかけるという。

確かにこれは、有効な方法かもしれない。

物事をわかったつもりになること、これが一番怖い。

物事を、「要するに・・・・・・」と、自分の言葉で分かりやすく説明できないということは、実は、自分がわかっていないということ。

こう考えると、情報に対して謙虚になれるであろうし、また、知識や思考を深めることができるであろう。

しかし、池上氏をここまでにしたのに、「NHK週刊こどもニュース」の果たした役割は大きかったと考える。

池上氏は、国内外のどんな大きなニュースを選び、それをどう料理すれば、テレビを見ている子どもたちにわかってもらえるだろうか。いつも頭を悩ませていたという。

「こどもニュース」という題名ではあるが、視聴者の半数以上は大人。

さまざまな分野の専門家がみていることもある。

そのような、専門家を納得させ、なおかつ子どもたちに理解してもらえる。

そんな内容を、毎週つくり出していくのはいかに大変だったことか。

さらに、放送中、子どもたちは、遠慮なく素朴な疑問を投げかける。

それに即応できるようになるには、相当な準備が必要だったことだろう。

そして、こんな悪戦苦闘の日々の中から、自分なりの情報収集術を編み出してきたのであろう。

よく「仕事が人を育てる」と言う。

池上氏にとって「こどもニュース」がまさにそれだったといえる。

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