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2012年6月14日 (木)

承認とモチベーション/太田肇

4495380214  かつて日本人は仕事に対する意欲が高く、それが日本企業と日本経済の発展の原動力になっていると語られた。ところが近年、日本企業、日本経済の低迷と並行するように日本人の仕事意欲も低水準にあることが各種の調査から明らかになっている。
 たとえば、ギャラップ社が2005年に行った調査によると、仕事に対して非常に高い熱意を感じている日本人はわずか9%にすぎず、14か国のなかでシンガポールとならび最低である。またコンサルタント会社のタワーズペリンが同年に世界16か国の8万6000人を対象に行った調査でも、「非常に意欲的である」と答えた日本人は2%と16か国中最低で、逆に「意欲的でない」と答えた人は41%でインドに次いで多いという結果がでている。ブルーム(Vroom[1964])なども明らかにしているとおり、モチベーションが低ければ当然仕事の業績もあがらない。

かつて、日本人は勤務意欲が高いということを言われ続けてきた。

高度成長期の日本企業の躍進もこのことと無関係ではない。

ところが、近年、その日本人の勤務意欲の低下傾向が著しい。

様々な調査機関のデータがそれを表している。

日本の企業にとって社員のモチベーション回復は喫緊の課題だといえよう。

本書の著者、太田氏は、「承認」と「モチベーション」の関係について、長年研究をしてきた人。

その太田氏によると、理論上、承認がモチベーションを引きだすプロセスは二とおりあるという。

一つは、承認によって自己効力感が高まり、それが内発的モチベーションを高めるというプロセス。

もう一つは、承認によって、努力すれば報われるという期待が高まり、それが外発的モチベーションを向上させるというプロセス。

承認はその両方の動機づけをもたらすと考えられるという。

ここで重要なのは、いずれのプロセスにおいても、自分の能力や成果などについての正確な情報のフィードバックが前提条件になっていること。

裏を返せば、不正確な情報が与えられると効果がないばかりか、逆にモチベーションを低下させたり、精神的にも行動上もさまざまな混乱を招いたりしかねないことを意味している。

「承認」が単なる「褒める」ことと違うのは、あくまで事実のフィードバックでなければならないということ。

そして、これが一番難しい。

しかし、人事に携わる人にとって、「承認」は今後、大事なキーワードになってきそうである。

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