嶋浩一郎のアイデアのつくり方
高度成長期は終焉を迎え、時代は低成長の成熟時代。思うに、高度成長期は成長がある程度保証されたわけですから、やり方さえ決めてしまえば、その決められたやり方の中で仕事をいかに効率よく展開していくのかが、必要とされる技術だったのではないかと思います。
つまり、高度成長期は「片づけられる人」が活躍できた時代です。
しかし、今の時代は新しい価値を生み出す、新しいビジネスを考える、そんな時代になっているのだと思います。そんな二十一世紀は「片づけができない人」にチャンスがめぐってくるのではないでしょうか。
博報堂ケトルというクリエイティブ・エージェンシーで働いている著者。
日々、キャンペーンや広告のアイデアひねり出し、それを実現する仕事をしている。
プレゼンテーションの仕方から、企画書の書き方等、アイデアを考え続ける仕事。
そのような極めて創造的な仕事をしている著者が言うには、
情報を既存の方法で整理整頓して考える人より、ちらかった情報の中から、突然変異的に情報と情報を組み合わせアイデアを生み出す人のほうが面白い結果を出すという。
マーケティング的に理詰めで理屈を積み上げていくより、ある日、街中で見かけた小学生の会話が、風呂の中で読んだ雑誌の記事と頭の中で突然結びついて、アイデアが生まれる。
そんな、偶発的な感覚が、実はいいアイデアを生み出す。
一見、関係ないものが結びついたほうが斬新なアイデアが生まれる。
そもそも、アイデアとは、異質の情報が結びついて化学反応を起こした結果生まれるもの。
そう考えると、従来の整理法がかえって創造性を殺すような状況を生み出しているのかもしれない。
« ニュースの読み方使い方/池上彰 | トップページ | 承認とモチベーション/太田肇 »
コメント