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2012年6月 1日 (金)

戦略プロフェッショナル/三枝匡

4532191459 良い戦略は極めて単純明快である。逆に、時間をかけ複雑な説明をしないと理解してもらえない戦略は、だいたい悪い戦略である。悪いという意味は、やっても効果が出ないという意味である。
 良い戦略は、お父さんが家に帰って、夕食を食べながら子供に説明しても分かってもらえるくらい、シンプルである。悪い戦略は、歴戦のビジネスマンに一日かけた説明会を開いても、まだもやもやしている。

企業の経営改善には「戦略」が必要だ。

そして、それを実行に移すための具体的「プログラム」が必要だ。

社内の誰もが理解できる「単純な目標」と、その実現を支援してやるための一連の「プログラム」を打ち出すことによって、「目標と現実のギャップ」に橋がかかる。

そうした手法を根気よく繰り返していかない限り、長丁場の経営改善は進まない。

それを支えるためには、組織のなかに「戦略意識」が醸成され、社員が「共通の言語」を喋るようにならなくてはいけない。

大事なことはその「共通の言語」は誰もが理解でき、覚えられる、単純明快な言語でなければならないということ。

例えば、営業マンが何かを売りに行く時にも、同じ現象が見える。

彼らが良い製品を売り込む時の説明は単純明快である。

逆に、時間をかけ複雑な説明をしないと理解してもらえない製品は、だいたい悪い製品である。

ここで言う悪いという意味は、なかなか売れないという意味。

悪い製品であればあるほど、その業界の製品の説明は複雑になっていく。

わずかな差を説明しようとするからである。

これは企業の戦略も共通して言えること。

このことは以前読んだ「ストーリーとしての競争戦略」にも同様のことが書かれていた。

この本の中で著者、楠木氏は「戦略の神髄は 思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある」と言っている。

大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った「ストーリー」として組み立てられているという点で共通している、という。

戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なくつらされるものではなく、誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い「お話」をつくるということ、だと。

これは経営戦略の本質なのかもしれない。

このことから考えると、今の多く企業の戦略はあまりにも複雑すぎる。

うまくいかないはずである。

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