« 承認とモチベーション/太田肇 | トップページ | 決断の本質/マイケル・A・ロベルト »

2012年6月15日 (金)

一生食べられる働き方/村上憲郎

9987863779 進化できる企業、すなわち生き残れる企業と、進化できずに消えていく企業との違いはどこにあるのか。私は、「モンキートラップを逃れられるかどうか」がその境目だと考えています。
 これはよくできたお話だと思うのですが、猿の手がやっと入るくらいの小さな口の容器にエサを入れておくと、猿がやってきて手を入れて、エサを握る。エサを握りしめた猿の手は容器から抜けなくなる。エサを離せば、手は抜けて逃げられるのに、せっかくのエサを握りしめて離そうとしないばかりに手が抜けなくなり、猿は捕まってしまう。これがモンキートラップで、要するに、成功体験から脱却できないために、かえって身を滅ぼすことの愚を戒めた寓話です。

「モンキートラップ」とはよく言ったもので、確かにそうなってしまっている企業や人は多い。

かつて大成功をおさめた優れた企業であるがゆえに、成功体験を握りしめて自滅していくという例は、枚挙にいとまがない。

すでにDOS/Vが主流になっているにもかかわらずPC-9800シリーズに固執したNEC。

トリニトロンブラウン管の成功体験を手放すことのできず、液晶で出遅れてしまい、韓国サムソン電子に完全にシェアを奪われてしまったソニー。

より大きな視点で見れば、日本経済の基本的な枠組自体が、かつての成功体験を握りしめてモンキートラップに陥っているような気がする。

個人に目を移してみても、モンキートラップに陥っている人は多い。

「おれの若いころは・・・・・・」と、過去の栄光ばかりを自慢する上司。

時代はとっくにソリューション営業に変わってきているのに、「営業は脚だ」と、汗をかくことばかりを部下に押しつける上司。

どこの会社にも、そんな化石人間がいるものだ。

モンキートラップから逃れるには、成功体験を手放すしかない。

「昔はよかった」と懐古するのではなく、「手放すべき成功体験とはなんなのか」という厳しい視点で過去を振り返ってみる必要があるのではないだろうか。

« 承認とモチベーション/太田肇 | トップページ | 決断の本質/マイケル・A・ロベルト »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一生食べられる働き方/村上憲郎:

« 承認とモチベーション/太田肇 | トップページ | 決断の本質/マイケル・A・ロベルト »