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2012年6月29日 (金)

コンビニでは、なぜ8月におでんを売り始めたのか/石川勝敏

4594054668  アナタは驚くかもしれませんが、「お盆をすぎたらおでんを売れ!」というのは、コンビニ業界ではもはや常識になっているのです。
 おでんはもともと冬の食べものだったのに、なぜ?
 コンビニのおでんは、本格的な寒気がやってくる毎年10月末から11月上旬、東京や大阪で木枯らし1号が発表されるころが、売上が大きく伸びる時期でした。
 気温で言えば18℃を下回るころです。この傾向は今も変わっていません。
 つまり、おでんは「寒さを感じたときに売上が伸びる」食べものなんです。
 そこで気温変化をもっと詳しく調べると、たとえば東京では一年のうち8月上旬に気温上昇のピークが来て、その後は翌年の1月下旬まで徐々に気温は下がっていくことがわかります。
 お盆をすぎたころ(8月下旬)には最高気温、最低気温ともに下がり始め、多少のばらつきはあるにせよ、体感的には昨日よりも今日の方が涼しく(寒く)感じる日が多くなっていくわけです。
 おでんは「寒さを感じたときに売上が伸びる」食べものなので、昨日より今日が涼しく(寒く)感じるようになるお盆すぎは、たとえ夏であっても「おでんを食べたい!」というからだからの欲求が芽生える時期なのです。
 コンビニで8月におでんの販売がスタートした一番の根拠は、この気候の変化(気温が下がり始める)にあります。
 毎年8月末には最高気温で27度を下回る日が出現します。この日を境にして人は皆、夏の終わりを感じ、秋から冬へとからだも気持ちも切り替えるのです。そんなときに、目の前におでんがあったなら――「わ、おでん、久しぶり!買っちゃおう」となるのです。

著者は「現代人のからだはいまだに江戸時代のままである」と本書で言っている。

たとえば、江戸時代の人は早起きだった。

電気がなかったから、それこそ日の出とともに起き、日の入りとともに寝るという生活だった。

元来、人間というのはそうしたライフスタイルが普通なのである。

今のような自然の摂理に反するようなライフスタイルになったのは、長い人類の歴史から見れば、ほんの一瞬でしかない。

現代人はそのことにもっと謙虚であるべきだ。

食べものについても、同じようなことが言える。

人類の永い歴史の中で刷り込まれたDNAというものがあるのである。

もし、ビジネスを行う人も、からだの内側から発する声にしっかりと耳を傾けたなら、今、何を人々が食べたいと思っているのかがわかるはず。

それを店頭に並べれば必ず売れるはずだ、と。

たとえば、客観的な気温のデータだけをみれば8月下旬の気温は高い。

だが、からだの内側の声は「寒い」と叫んでいる。

だったら「おでん」売れるはず。

そんな仮説が成り立つ。

そして、実際にその通りになる。

そう考えると、究極のマーケティングとは、きわめて人間的でアナログ的なものになってくるのではないかということが言えそうである。

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