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2012年6月24日 (日)

トヨタ生産方式を創った男/野口恒

9880563433 「自働化」「ジャスト・インタイム」のほかに、トヨタ生産方式の基本的な考え方として、「ムダをなくす」「ムダの排除」「七つのムダ」という「ムダ」と「カイゼン」という言葉がある。意外なことにこの二つの言葉の意味を表現する適当な英語や中国語もない。
 「やはり同じく中国から招待をうけて向こうに行った時、作り過ぎのムダやムダの排除についていろいろ二週間ぐらい講演したのですが、どうも向こうの通訳が日本語のムダという言葉を翻訳しているように思えなかった。そこで通訳の人に『ムダ』というのは中国語でどう表現するのか聞いてみたら、『浪費でしょう』という。日本語のムダと浪費とはニュアンスが大分違う。そこで『ムダ』に相当する言葉はないのかと聞いてみると、彼は『浪費という言葉があります』という。それなら、二週間私が一生懸命話していたことはみんなムダだったのかといったら、彼は笑っていましたがね」と大野はいう。
 「改善」というのも日本独特の言葉で、これを翻訳できる適当な英語がない。あえて探せば「インプルーブメント」という英語があるが、これは「改良」という意味であり「改善」とはニュアンスが違う。大野によれば「改善」と「改良」とは意味が全く違うという。
 「改善」は頭(智恵)を使ってよくすることであり、それに対して改良はおカネを使ってよくすることである。あまりに高価で、優秀な機械を導入すると、生産現場では改善のための創意工夫、改善意欲がそがれてしまう恐れもある」

トヨタ生産方式の生みの親、大野氏。

彼が中国で講演したとき、中国には「ムダ」に該当する言葉がないことを知ったという。

また「カイゼン」に該当する英語もないという。

これは新しい発見である。

言葉がないということは、そのような文化がない、実体がないということ。

たとえば昔読んだ「甘えの構造」という日本人論の本があった。

その著者土居氏によると、「甘え」という言葉にあたる英語はないということであった。

そこから土居氏は「甘え」ということについて、論理を展開していくわけだが、

それと同様に「ムダ」と「カイゼン」について英語や中国語にそれに該当する言葉がないという。

以前、「モッタイナイ」という言葉が世界中に広まったことがあった。

この言葉もやはり日本の文化から生まれた言葉で、日本独特のものなのであろう。

そう考えると、日本独特の文化や習慣、ものの考え方は随分あるのではないだろうか。

そして、それはそのまま日本の強みにもなり得る。

経済がグローバル化している現代、

単にモノを大量に安く生産するだけでは生き残れない時代になってきた。

今こそ、このような日本独特のものにもっと目を向け、独自のものを創り出すべきときではないだろうか。

ここに日本が生き残るヒントがあるような気がする。

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