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2012年7月30日 (月)

使える「孫子の兵法」/齋藤孝

25222571_1 この不況下でも業績を伸ばしている会社はいくらでもある。独自の目線で商機を見出し、それが成功しているということだろう。つまり「不況だからすべてダメ」というわけではけっしてないのである。
 そこで重要になるのが、判断力と行動力だ。それも自ら海原に漕ぎ出して網を放つような、いわば「漁師的感覚」である。
 昔から漁師は、風を読み、潮を読み、魚群を探り当ててきた。大漁になりそうなら長時間労働を厭わず、不漁と見るやさっさと漁場を変える。あるいは嵐が来そうなら早めに切り上げる。一歩間違えれば命取りになりかねない中で、一つひとつ冷静に状況判断を繰り返してきたわけだ。頼れるものといえば、長年の経験に裏打ちされた肌感覚だけだったに違いない。
 ただ「漁師的」といっても、多くの人には馴染みが薄いかもしれない。一方で「日本人は農耕民族」とよく言われる。たしかに地道な作業を積み重ねたり、少しずつ改良を加えたりが得意という意味では、農耕民族のDNAが色濃く残っているように思える。少なくとも、しばしば対比的に取り上げられる「狩猟民族」ではないだろう。
 しかし、四方を海で囲まれた日本人は、もともと海とのつながりも深かった。今日の“海の幸”の豊かさからもわかるとおり、ずっと海と格闘してきた民族なのである。その証拠に、かつては全国各所に漁村があり、漁業人口もきわめて多かったといわれている。縄文遺跡からさえ舟が見つかっていることは、周知のとおりだ。
 だとすれば、私たちは漁師のDNAも受けついでいるはずである。すっかり鳴りをひそめてはいるが、ちょっと鍛えることで、もう一度呼び覚ますことができるのではないだろうか。

昔からよく、日本人は農耕民族、欧米人は狩猟民族のDNAを受け継いでいると言われる。

農耕民族は生まれてから死ぬまで、ずっと同じ地域にで過ごす。

そのため隣近所との和を大切にし、台風や干ばつがきてもじっと我慢して災難が過ぎ去るのを待つ。

結果として日本人には、和の精神や忍耐力、コツコツと働く真面目さ、等がDNAとして受け継がれている。

一方、狩猟民族は、豊かな土地を目指して民族を移動させ、そこに土着の民族がいれば、争いも厭わない。

そこから欧米人には、行動力、決断力、強いリーダーシップといったものがDNAとして受け継がれている、と。

しかし、ここで齋藤氏は、海に囲まれた日本人は漁師のDNAも受け継いでいるはずだ、という。

つまり、風を読み、潮を読み、魚群を探り当てる力。

不漁と見るやさっさと漁場を変える臨機応変さ。

このようなDNAを受け継いでいるはずだ、と。

考えてみれば確かにそうだ。

日本は、世界でも有数の海洋国家である。

だったら、今のような時代こそ、眠らせてしまっていた漁師としてのDNAを呼び覚ます時なのではないだろうか。

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