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2012年7月29日 (日)

金儲け弁護士の自己破産ビジネス/白川勝彦

300  何より私が恐ろしいと思うのが、その常習性です。「自己破産はどうしてもしたくない」と、自ら意思を持っている方はまだいいほうで、「弁護士に勧められるまま自己破産したものの、その後の人生がボロボロになってしまった」という、さらに悲惨な方もたくさん存在するのです。
 なぜなら、自己破産をした人の多くが、その後、何度も自己破産を繰り返す人生を送るようになってしまうことが多いのです。
 人間がもともと怠惰な存在であることを考えれば、致し方ないことかもしれません。
 しかし、「いくら借金を作っても、また自己破産して踏み倒せばいいや」という気持ちが一度芽生えてしまった人を、更生させるのは容易なことではありません。
 特に若い頃にこのループにはまってしまうと、人生を積極的・自立的に生きる機会を、その後死ぬまで失うことになりかねません。

本書は、元衆議院議員白川氏の、金儲け弁護士の自己破産ビジネス批判の書。

白川氏は「自己破産とは、単に借金を免責するものではなく、債務者の人生の崩壊を招きかねない」と警鐘を鳴らす。

現在、司法制度改革の一環として、法律家の大幅増が推進され、年間の司法試験合格者を3000人とする目標がたてられている。

これが本当にその数字通りに進んでいくと、様々な問題が噴出してくる可能性がある。

それでなくても、現在、弁護士の資格を取ったものの、就職先がないという弁護士が増えてきている。

仕事にあふれた弁護士が今後どのような動きをしてくるのだろうか。

現に、過払い金バブルが崩壊した今、死活問題に陥った弁護士は新たな金づるを求め、その一つとして、自己破産ビジネスを広げてきている。

自己破産とは借金を免責する法的手続き。

確かに、借金で、もうどうにもならない状態になっている債務者にとってはありがたい法律。

自殺者が年間3万人を超える日本の現状を考えると、これによって救われる人がいるのであれば、自己破産の手続きをしてあげるのは人助けだと言えなくもない。

一方、悪い言葉で言えば自己破産とは、借金の踏み倒しである。

当然、それによって貸した金を返してもらえず困る人もでてくる。

場合によっては不幸の連鎖を生む可能性もある。

だから、自己破産という法的手段に頼るのは、最後の手段だという認識が債務者にも弁護士にもなければならない。

軽く考えてもらっては困るのである。

「借りたお金は返さねばならない」という、人として生きる最低限のルールを、たとえ合法的だとは言え、破ってしまうのだから。

弁護士は、そのようなことを債務者にきちんと説明し、諭す位の精神性と倫理観が求められるのではないだろうか。

弁護士の量産が予想されている今後、弁護士にはこれまで以上の高いモラルが求められてくるだろう。

もしかしたら、今後、弁護士は「良い弁護士」と「悪い弁護士」にはっきりとわかれてくるかもしれない。

そんなことを本書を読んで考えさせられた。

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