« 社員が「よく辞める」会社は成長する!/太田肇 | トップページ | コミュニケーションは要らない/押井守 »

2012年8月16日 (木)

知らないと恥をかく世界の大問題3/池上彰

32753442 今回の津波、原発事故を海外はどう受け止めたのか。
 海外メディアは、甚大な被害に遇ったにもかかわらず、社会的秩序を守って互いに助け合う日本人の姿を称賛しました。「暴動が起きない」ことに驚いたのです。私たちは「暴動が起きない」と驚いていることに驚いたのですが、それほど私たちが“当たり前”だと思っていることが、実は驚嘆すべきことだったのです。
 地震や津波が起きれば、世界の常識でいえば間違いなく「略奪」や「暴動」が起きます。福島第一原発事故の後、東京から各国の大使館員が関西や自国へと避難しました。実は「略奪や暴動で外国人が標的になるかもしれないから逃げろ」という理由もあったということを、後になって知りました。
 ところが日本人は略奪どころか、避難所に届けられた物資もみんなが譲り合い、われ先にと奪い合うことなど全くありませんでした。
「皆さんで分けてください」と言われたら、見事にこれをやったと世界が驚いた。このところ日本は自信を失うようなことが多いけれど、私たちは捨てたものじゃないと自信を持つべきです。

震災後の日本人の対応に、日本人の良いところと悪いところが如実に現れた。

略奪が起こらず、みんなが助け合った、これは良い面。

一方、責任の所在がはっきりせず、意思決定が遅いため、復興がなかなか進まないというのが悪い面。

私は、この両面が現れた、その根底に日本人の「和」の精神があるのではないかと考える。

日本人は何事においても波風立てることを嫌う。

復興後、みんなが助け合ったのも、その方が波風が立たず、後々まで人間関係がうまくいくから。

瓦礫の受け入れを総論では賛成したものの、いざ自分のところに来るとなると多くの組長が反対したのも、その所属する自治体の和が乱れるから。

責任の所在がはっきりせず、意思決定が遅いのも、誰かがリーダーシップを発揮し、強引に物事を押し進めると、みんなの和が乱れるから。

そもそも、何か意思決定しようとした場合、必ず反対者が出てくるもの。

そのような場合でも、強い意思と決断力で意思決定するのがリーダーというものである。

和の精神と意思決定とは両立しないことが多い。

東日本大震災から1年以上過ぎても、復興の見通しが見えない日本。

動くべき政治家たちは政争に明け暮れ、先送りの構図は変わらないままだ。

しかし、世界は大きく動いている。

特に今年は米国をはじめとして、多くの国でリーダーが交代する年である。

この激動の時代に、彼らは、問題山積の世界をどこへ導こうとしているだろうか。

« 社員が「よく辞める」会社は成長する!/太田肇 | トップページ | コミュニケーションは要らない/押井守 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 知らないと恥をかく世界の大問題3/池上彰:

« 社員が「よく辞める」会社は成長する!/太田肇 | トップページ | コミュニケーションは要らない/押井守 »