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2012年8月23日 (木)

日本人と戦争/木村譲二

9973178181 本分を忘れた軍人ほど始末に負えない存在はありません。まさに軍人勅諭の「軍人は本分をつくすをもって尊しとすべし」が空文になった瞬間、栄えある皇軍は自己欺瞞におちいったのです。
 いささか低俗な譬えになりますが、ギャンブルにおけるプロとアマチュアの決定的な相違は、カードやダイスを扱う手さばきやカンのよしあしにあるのではなく、勝負の引き際を見定める能力にあるといわれています。プロは勝っていても負けていても潮時を見て、さっさと手を引きます。が、アマチュアは勝っているともっと勝とうとし、負ければ取りもどそうとしてのめりこみ、結局は敗退することになりがちです。
 戦争にもギャンブル的要素が多分にあって、いちばんむずかしいのは戦争のやめ方といわれています。

戦争で一番難しいのはやめ方である。

戦争を何らかの理由で始めた以上、どこかでやめなければならない。

本来、それは、始める前から決めておかなければならない。

日露戦争のときには、その考え方がしっかりとあった。

例えば、日露戦争のとき、当然ながら日本は、ロシアに勝てるとは思っていなかった。

ただし、短期決戦で何とか優勢をたもつことができれば、そのあいだにアメリカか英国に調停してもらって和平に持ち込むことはできるかもしれない、と考えていた。

つまり戦争では勝てなくても、作戦しだいで戦闘に勝つことはできるから、六勝四敗くらいのところでロシアの拡張政策に批判的な米英が調停役を引き受けてくれれば、何とかなるはずだという発想。

もちろん、そのための根回しも手抜かりなくやっいてた。

小村外相は桂首相や元老の伊藤と相談のうえ、米英両国に特使を派遣して、両国首脳に開戦理由の妥当性を説明させ、支持をとりつけるように命じていた。

こうした外交努力が功を奏して、米英両国は終始日本側に立ってくれることになった。

結果、日露戦争は日本の勝利という形で終結する。

一方、同じ日本人でも太平洋戦争では、それがなかった。

政府は軍部の独走を許し、軍部もどのようにして戦争を集結させるか、という計画もなく戦争を始める。

あるのは希望的観測と精神論、感情論ばかり。

結果は悲惨なものとなる。

私たち日本人はこの歴史からしっかりと学ばなければならない。

今、日本は竹島問題、尖閣問題で韓国、中国と揉めている。

毅然とした態度は確かに大事だが、どこかで落とし所を考えているのだろうか。

国のリーダーはこんなときこそ、智恵を使うべきである。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」とはよく言ったものだ。

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