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2012年8月29日 (水)

孫文/舛添要一

32655844 日清戦争で日本に敗れ、そして康有為らの改革派は上からの改革で潰されたが、大衆の不満は爆発寸前になっていた。その流れに乗じて、1900年、孫文は二度目の蜂起を企てる。現場は恵州、しかし最悪のタイミングで日本の政権が代わり、孫文たち革命軍への武器調達が困難になる。それが致命傷となり、二回目の蜂起は失敗に終わった。
 その後、再び孫文は横浜を基盤にし、およそ三年間活動することになる。そして1903年、再びハワイからアメリカ、ヨーロッパを旅し、大歓迎を受ける。そのときに熱弁を振るったのが「三民主義」である。
 三民主義とは何か。
 孫文は前掲書『孫文選集 第一巻』でこう説明している。
「三民主義とは、人民の、人民による、人民のための、ということであります。この人民の、人民による、人民のための、ということの意味は、国家は人民の共有、政治は人民の共同管理、利益は人民の共同享受、ということであります。このような見解にたてば、人民は国家にたいして共産するだけでなく、すべてのものを共にすることができます。人民が国家にたいし、すべてのものを共にできるようになれば、そのときこそ民生主義の目的が真に達成されたことになり、これこそ、孔子の望んだ大同世界なのであります」

現職の参議院議員である舛添氏が、今なぜ、中国の革命家、孫文について書いたのか?

そのことに興味をそそられて本書を読んでみた。

孫文は何度も革命を企てては失敗しているが、その考え方はの根本に「三民主義」がある。

三民主義とは、民族主義、民権主義、そして民生主義を指す。

三民主義を成し遂げるには、三代の年月がかかるだろうと言っていた孫文だったが、その予測は半分当たっていた。

まずは「民族主義」

「中国の統一」は、第一世代の毛沢東が成し遂げた。

次に「民生主義」

食うに困らない「豊かさ」は、改革開放を推し進めた第二世代の鄧小平がさきがけとなって見事に花開かせた。 

最後に残ったのが、「民権主義」

これは、共産党の一党独裁が崩壊しないかぎり実現できないだろう。

これからの話だ。

しかし、孫文のように長期的に国のあるべき姿を思い描き、そのために活動する人物は、今の中国にも日本にも、いなくなったような気がする。

ある意味小粒になったというか、そんな印象を持ってしまう。

「日本と中国が戦ってはいけない」というのは、孫文の遺言のようなものだった。

そもそも日中関係が安定していないかぎりアジアの安定と平和、繁栄というのは絶対にありえない。

中国人がいくら日本が嫌いでも、日本との貿易をやめるということになれば、中国では潰れる企業がたくさん出てくるだろう。

大切なことは、お互いにナショナリズムを極端に刺激することなく、「着実に経済をよくしていく」ということだ。

これが一番望ましい姿である。

「日本と中国が戦ってはいけない」

アジアの平和と世界の安定は、日本と中国が協力するところにあるのは確かなことだ。

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