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2012年8月19日 (日)

職場砂漠/岸宣仁

41wxuys26ll__sl500_aa300_  労働時間規制を例にとって説明すると、労基法で一日八時間以上の労働をする場合は割増賃金が必要になるが、個人の働き方が多様化している今、どこまで国がこの共通基準をすべての人に適用できるのかが焦点になる。かつて女性の深夜業は禁止されていたが、能力のある優秀な女性がキャリアを積みたいと思っているのに、それを女性だからというだけで国が「午後10時以降は働くな」と言えるのか。
「そうは言い切れない側面がある、これが時代の流れだと考えます。実は、国立大学の独立行政法人化で、私にも労基法が適用されるようになりました。仮に裁量労働制が適用されなかったら私の労働時間も管理されることになりますが、そうなると今度は自由に研究ができなくなります。時間を気にせずに働けるからこそ、私たちの研究活動が成り立っているのです。つまり、私には時間管理は迷惑な規制なわけで、少なくとも同じように迷惑に感じているホワイトカラーには、好きなように働いてもらおうとするのがエグゼンプションなのです。労働法は弱者保護を旨として発展してきましたが、全員が弱者なのかと疑問を投げかけ、いま部分的見直しをかけているわけです」

上記抜き書きは、ホワイトカラーエグゼンプションについての大学教授の発言。

労基法の1日8時間という規制が研究者等のホワイトカラーにはあわないのではないかという内容。

これは全くその通りである。

昔のようにベルトコンベアーの前に労働者が一列に並び、流れ作業で働くのであれば、労働時間規制は必要であろう。

ところが、今、多くの仕事はそうはなっていない。

特にホワイトカラーは、仕事は頭の中でやっているといってもいい。

極端にいえば、職場から帰って風呂に入っているときも仕事のことを考えている人は多くいる。

だったら、その時間は労働時間なのか?

つまり仕事とプライベートの境界線がはっきりしないのがホワイトカラーなのである。

労働時間管理そのものがそぐわない職種と言った方がよい。

そしてそのような仕事が増えてきているという現状がある。

当然、法律が現実に追いついていないわけだから、だったら法律を変えるべきだろう。

数年前、このことが国会で議論されたときのことを思い出す。

ホワイトカラーエグゼンプションは残業代を払わない法律だ、ということばかりが強調され、結局法制化されなかった。

つまり、まともな議論ができないのが日本という国なのではないかと思ってしまう。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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