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2012年9月28日 (金)

そうだったのか!現代史パート2/池上彰

Photo_2  広島の惨状は、イギリスの新聞『デイリー・エキスプレス』のウィルフレッド・バーチェット記者によって世界に知らされました。
 原爆投下からほぼ一カ月後の九月三日に広島に着いた彼は、被爆者の悲惨な様子を取材しました。原爆投下から何日も経っているのに、爆発から逃げ延びた者が、原爆症で次々に死亡していく様子を記事にしたのです。九月五日に掲載された記事の最後は、「ノーモア・ヒロシマ」という文章で締めくくられていました。
 この記事が出ると、アメリカ原子爆弾災害調査団は、東京で「放射能の影響を受けるはずがない」と否定の記者会見を行います。さらに、原爆に関するあらゆる資料の公表を禁止しました。日本はアメリカ軍の占領下にあったため、この命令を守るしかありませんでした。
 アメリカとしては、原爆の悲惨さが世界に知れ渡るのを避けたいという政治的な判断がありましたが、同時に、そもそも原爆が爆発すると、大量の放射能が発生し、これが人間を死亡させたり苦しめたりすることの恐ろしさを、まだ理解していなかったのです。

広島に原爆が投下されたのは1945年8月6日のこと。

それから約1ヶ月後、イギリスの新聞記者が被爆者の悲惨な状態を記事にする。

しかし、アメリカはそのことを否定する。

起こっている事実を国が否定するという行為。

歴史を見ていくと、このようなことは様々な国で、様々な場面で、繰り返し行われている。

日本でも現場で起こっている事実を権力者の側が否定するという構図は多く見られる。

そして国民はそのことを何度も繰り返し見させられている。

今、日本で問題となっている原発やオスプレイ等の問題。

「原発は安全」「オスプレイは安全」でも、それって本当なの?

根本には、為政者に対する不信がある。

国は都合の悪い事実は隠す、という不信感である。

「本当に事実が公表されているの?」

「大事な事実を隠しているに違いない」

と言った不信が根本にある。

「嘘をつかない」とか、「約束を守る」とか、このような人間として当たり前のことを国が愚直に行うこと。

これ以外に今の政治不信を取り除くことはできない。

時間のかかることだとは思うが、ある意味、これが一番の近道である。

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