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2012年9月 6日 (木)

カリスマのつくり方/戸矢学

511ognzux2l__sx230_ なぜか? 何が違うのか? ディズニーランドも、テーマパークであり遊園地ではないか? しかも、特に高度な遊具がある訳でもなく、むしろ古風な遊園地といった設定で、奇抜な仕掛けなどはほとんど期待できない。
 ところが、ここにディズニーランドの最大の〝武器〟が潜ませてあるのです。ディズニーランドは、実はテーマパークでもなく遊園地でもなく「教育施設」なのです。
 たとえばレストランの建物の柱でさえ、一本一本に意匠が凝らされており、歴史や文化の由来があるのです。それは、何の時代の、何民族の、何文化の柱である、というように。 そしてその「学習」のための分厚いマニュアル(教本)が完備されており、学校の教師たちのためのセミナーも絶えずおこなっています。
 だから、ディズニーランドは「教育委員会推薦」の教育施設となり、校外学習や修学旅行にバスを連ねて団体でやってくるのです。
 これがもし一般の遊園地などであったなら、そこはただの「遊ぶ場所」なのだから、生徒を引き連れて学校行事として行く訳にはいきません。――これが、カリスマ=ウォルト・ディズニーが考えた戦略なのです。

カリスマは持って生まれたものではなく創り出すことができるもの。

ではどうすれば創造できるのか。

本書では、そのためのプログラムを紹介する。

上記はその一つ、ディズニーランドはいかにして神話・伝説を創り出したのか、について。

そこには周到に考えつくされた戦略があった。

今、多くのテーマパークは時代に合わなくなっており、そう簡単に人は集まらない。

もはや小手先のアイデアや、少しばかり刺激的な遊具を設置したくらいでは、飛躍的に入場者を増やすことは見込めない。

何しろ現在の日本には、他に「楽しい場所」も「楽しいこと」もたくさんあるのだから。

はるばる足を運ばせるだけの理由がなければ、もう人は来ない。

しかしそんな状況で、ディズニーランドだけは〝ひとり勝ち〟の状態。

しかも入場者のほとんどがリピーター。

なぜなのか?

その理由は、ディズニーランドの創始者であるウォルト・ディズニーにまでさかのぼる。

ウォルト・ディズニーはテレビ番組・ディズニーアワーに自ら登場し、知的な風貌と語り口で、子どもたちとその母親を魅了し続けた。

日本では1958年にNTVで「ディズニーランド」の放映が始まった。

力道山のプロレスリング中継と隔週で、金曜日の夜8時、スポンサーは三菱電機。

私自身、子供の頃に見たウォルト・ディズニーの姿はしっかりと記憶に残っている。

何よりも「良心的番組」の代名詞的存在で、ディズニーの映画も、ほとんどが文部省推薦のお墨つきがつくといった具合だった。

このコンセプトは、そのまま東京ディズニーランドまで徹底して継承されることになる。

つまりディズニーランドとは「教育施設」なのである。

ここが他のテーマパークとは決定的に違う点。

長い歴史の上に築き上げられたものであるだけに、ちょっとやそっとでは他のテーマパークは真似できない。

ここに他社との決定的な差別化が生まれる。

つまりカリスマとは戦略的に創り出すものであるということ。

これは本書を通して知った新しい発見である。

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