IBMを世界的企業にしたワトソンJrの言葉/トーマス・J・ワトソン・Jr
会社の成功と失敗を分かつ本当の違いをたどっていくと、社員のすばらしい活力と才能をどれほどうまく組織が引き出すか、という問題に行きつくことがとても多いと私は思う。社員が一致団結する目的を見出すために会社が何をするか。多くの競争相手や競争相手との違いがあるなかで、会社はどうやって社員を正しい方向に保つのか。
さらに、時代の変化とともに生じる多くの変化のなかで、どうすれば共通の目的と正しい方向感覚を維持できるのか。(中略)
そこで私の持論を述べよう。
一つめは、生き残って成功を収めようとするあらゆる組織には、すべての方針と活動の土台となる健全な信条がなくてはならない。
二つめは、会社の成功にとって最も重要な要素を一つだけあげると、その信条を忠実に固守することである。
三つめは、変遷する世界からの試練にうまく対応するためには、企業はその一生を移ろううちに、その信条以外、自らのすべてを変える覚悟をしておく必要があるということである。
本書が初めて出版されたのは1963年、
半世紀前のことである。
しかし、本書で述べられている内容は、古さを全く感じさせない。
むしろ、今日でも十分に通用することが記されている。
上記抜き書きで著者が言っていることは、
まず、社員の活力と才能を引き出せ、
これが会社の成功のカギである。
そして、そのために健全な信条を持て、
さらにそれを忠実に固守せよ、
しかし、信条以外は大胆に変える覚悟を持て、
ということ。
この言葉のごとく、IBMは信条を守りつつ、ある時には大胆にビジネスモデルを変え、何度も危機を乗り越えてきた。
そして、今なお世界のトップ企業である。
時代を超えてその言葉の正しさを証明してきたとも言える。
経営の原理原則というものは、時代を超えても変わらないものだといえるのかもしれない。
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