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2012年10月 7日 (日)

聞く力/阿川佐和子

9784166608416  でも城山さんのどこが、聞き上手なのだろう。
 城山さんは私の前で、鋭い突っ込みや、こちらがドキッとするような質問はなさいませんでした。ただひたすら、「そう」「それで?」「面白いねえ」「どうして?」「それから?」と、ほんの一言を挟むだけで、あとはニコニコ楽しそうに、私の世にもくだらない家庭内の愚痴を、穏やかな 温かい表情で聞き続けてくださったのです。
 「そうか!」私は合点しました。聞き上手というのは、必ずしもデーブ・スペクターさんのようにビシバシ切り込んでいくことだけではないのかもしれない。相手が「この人に語りたい」と思うような聞き手になればいいのではないか。こんなに自分の話を面白そうに聞いてくれるなら、もっと話しちゃおうかな。あの話もしちゃおうかな。そういう聞き手になろう。

長年、テレビや雑誌でインタビューアーとして活躍している著者が、聞き方のコツについて述べている。

特にテクニック的なことはそれほど書かれてはおらず、むしろインタビューに臨む心構えや姿勢、そしてそこから学んだこと、有名人のエピソードといった内容が中心となっている。

その中で、インタビューのコツのようなものをつかんだきっかけとして、作家、城山三郎氏との対談を挙げている。

著者は対談が終わって振り返ったとき、話し手である城山氏より聞き手である自分の方がしゃべりすぎてしまったことに気づく。

インタビューとしては失敗。

しかし、何故自分はそんなに気持ちよくしゃべってしまったのだろうと考えたとき、

城山氏の雰囲気や表情、自然な相槌が相まってついしゃべりたくなってしまった、

こんなところにコツがあるのでは、と思ったと同時に、気持ちが楽になったという。

テレビや雑誌では様々なインタビューアーが登場する。

ゲストよりも自分の方がしゃべってしまう聞き手、

鋭い突っ込みをする聞き手、

すべて笑いに結びつけようとする聞き手、

ゲストを怒らせることによって本音を引き出そうとする聞き手、

そのスタイルは様々。

大事なことは、「これでなければ」と決めつけることなく、楽に続けられる自分なりのスタイルを発見し、身に付けることではないだろうか。

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