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2012年10月 4日 (木)

総理の器量/橋本五郎

Photo  ともあれ、日米の首脳同士が友情で結ばれた効用は、確かにあった。ブッシュの前のクリントン政権時代は、アメリカは日本に対して「あれをやれ、これをしろ」と、厳しい要求を突きつけてきた.特に経済問題はそうだった。ところがブッシュの時代になると、風当たりは目に見えて和らいだ。
 これはアメリカの高官に聞いたのだが、下からは同じような対日要求を上げていたのだという。ところが、ブッシュのところでそれらがみんな止まってしまう。日本に要求すれば、「親友」の小泉が困るからだ。自国の利に適うことも、あいつのためにがまんしよう。
 国益をかけた外交も、所詮人間臭い所業であることに変わりはなかった。イラク戦争支援の是非が大きくクローズアップされる小泉政権時代の日米関係だが、こうした目に見えない部分での小泉の貢献は、率直に認めるべきだろうと思う。

読売新聞の政治記者として長年歴代の総理を間近で見てきた著者の総理列伝というべき書。

中でも一番著者の評価が高いのが中曽根首相。

対して小泉首相に対する著者の評価はそれほど高くない。

ただし、強い日米関係を築いたという点では中曽根首相と小泉首相とは共通点がある。

中曽根首相は、レーガン大統領とロン・ヤスと呼び合う関係を築き上げた。

一方、小泉首相も、訪米したときにはブッシュ大統領からテキサスにある自分の牧場に招かれ、特別扱いされた。

そして、この個人的な関係が日米関係にもプラスに働いたのは明らか。

一国のトップといえども結局は人間であるから、個人的な好き嫌いが国と国との関係にそのまま反映されるのはいわば当然のことなのかもしれない。

政治には「理」と「情」の両面が必要だといわれる。

ここ数年、民主党の外交がうまくいかないのも「情」の部分を無視し「理」の面だけで外交をしようとしているからではないだろうか。

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