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2012年10月14日 (日)

官僚に学ぶ仕事術/久保田崇

Photo  実際、官僚の多くは読書家です。そして、この読書家の傾向はポジションが高くなるにつれて顕著になります。課長クラスともなれば、日常業務は黙っていても課長補佐・係長以下で処理されるため、大きな方向性の指示や、決裁するだけで事足ります(もちろん、例外的に陣頭指揮を執るケースもありますが)。
 それでは、定型業務が決まっていない課長は日中、どのような仕事をしているのでしょうか。その1つが読書です。実際、本を山のように席に積んで読書にふけっている課長を目にすることもあります。官僚の仕事は政策作りですが、政策立案に当たっては、担当分野の大学教授や業界の経営者などの専門家と、議論をする機会も多いので、読書を通じてその分野の知識のインプットを図ることは大いに意味があります。

本書では、中央省庁の現役キャリア官僚が、霞が関で培ってきた仕事術について紹介している。

「最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック」とサブタイトルにあるように、官僚が優秀であり、多くの仕事をこなしていることは確かにその通りであろう。

だが、本書を読んでいて、素朴な疑問が沸いてきた。

それは「法律を作るのは国会議員の仕事じゃないの?」

「小学生の頃習った『三権分立』ってどうなってるの?」という疑問である。

官僚に与えられているのは「行政権」であり「立法権」ではないはず。

しかし、国会議員が自ら法案を起案することはほとんどない。

確かに最後に決めるのは国会議員なのだろうが、法案のほとんどを占める内閣提出法案を官僚が作成するのはもちろん、議員立法も多くは官僚のサポートに依拠している。

つまり日本の法律は現状として官僚の意のままに作られていると考えてよい。

かといって今の国会議員に立法能力はないのではないだろうか。

結局、官僚依存にならざるを得ない。

「脱官僚」が掛け声だけに終わるのは当たり前である。

官僚が優秀であることは認めるが、この官僚依存の仕組みが変わらない限り、日本は変わらないのではないだろうか。

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