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2012年10月25日 (木)

日本力/伊藤洋一

Photo  実は、「不況」とか「リセッション」の持つ意味合いは日本と海外とではかなり違う。それについてはすでに説明したが、ギャップに悩まされたのは海外から来たジャーナリストたちである。彼らの困惑ぶりを見ながら筆者の心に去来したのは、「日本人はそもそも成長のペースから失業率のレベル、それに所得など、様々な面で自分たちの基準線をバブルの頃に上げすぎてしまったのではないか」、自分たちで「不況という言葉を弄びすぎているのではないか」「自ら悲観論にとらわれすぎているのではないか」という反省である。
 日本人の悲観論は、世界から見ると今、むしろ不思議に思われているのではないか。筆者は海外に行けば行くほどそう思う。そして、日本人が悲観論を述べている間にも、通貨の国際的評価が表れる外国為替市場で円が基調的に強いのを見れば、また日本の対外収支が黒字を続けているのを見れば、日本の悲観論がおかしな方向を向いていることは一目瞭然である。

今の日本を語る場合、その主張は大きく二つに分かれるような気がする。

一つは、日本は危ない論。

日本はもうすぐ借金が1000兆円に達する。

円高で輸出企業は競争力を失っている。

少子高齢化で、これから人口減少、縮小社会に入る。

今のままではギリシャのように破綻する・・・。

と、いった内容。

もう一つは、日本の未来は明るい論。

そして、本書は、後者に分類される。

日本は、海外で「クールな(かっこいい)国」として繰り返し取り上げられている。

産業として広い裾野を持ち、国の総合力の強さを示す自動車をはじめとして、日本製のさまざまな商品が世界を席巻している。

加えて、日本が生み出すポップカルチャーも、いま爆発的に、世界に波及しつつある。

「Japan is cool」、というわけだ。

どちらが正しいということでなく、要するに両面があるということであろう。

大事なことは、このような状況におかれた日本は、これからどのようなビジョンを持って生きていくのかということではないだろうか。

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